再生エネ、30年度に倍増 基本計画決定、「原発」詳細は棚上げ

 政府は22日、国のエネルギー政策の中長期的な方向性を示す新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定した。太陽光発電など再生可能エネルギーの主力電源化を徹底する方針を明記し、2030年度の電源構成目標を19年度実績の約2倍に当たる36~38%まで拡大する目標を掲げた。50年の温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、日本のエネルギー政策は大きく転換する。

 第6次となる今回の基本計画は、約3年ぶりの改定となった。政府はまた、中長期の気候変動対策を示す地球温暖化対策計画も閣議決定した。30年度の温室効果ガス排出量を、13年度比で46%削減する目標や具体策を盛り込んだ。今月末から英国で開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を前に、国連に提出する方針だ。

 基本計画で示した30年度の電源構成目標は、総発電量に占める再生エネの比率を、従来の22~24%から36~38%に拡大する。原発は20~22%を維持する。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素やアンモニアを使った発電を30年度に1%程度にする目標も初めて打ち出した。

 これらの脱炭素電源で約6割を目指す野心的な目標だが、達成のハードルは高い。最優先で導入する方針の再生エネは電力の安定供給やコスト面で課題が多い。企業もCO2の排出削減を強化しているが、技術革新などで不可欠な巨額投資とコスト増加によって業績や雇用が悪化する懸念も指摘されている。

 一方、CO2の排出量が多い火力は30年度電源構成の目標で41%に引き下げる。約75%を占める19年度実績から大幅に低下させる計画だが、依然として4割を依存する。石炭火力も2割弱を占めており、国際的な批判が強まる可能性もある。

 原子力は「可能な限り依存度を低減する」との従来方針を維持した。その一方、安全確保を前提に「必要な規模を持続的に活用する」とし、既存の原発を再稼働させる方針も入れた。ただ、発生から10年を迎えた東京電力福島第1原発事故の反省も明記し、自民党や経済界の要望が強い新増設やリプレース(建て替え)の方針は盛り込まなかった。 (石田剛)

 エネルギー基本計画 日本の中長期的なエネルギー政策の指針で、エネルギー政策基本法に基づき政府が策定する。電源構成や原発の運営、資源確保の方針を示し、電力会社など民間企業の投資計画に影響を及ぼす。2003年に初めてまとめて以降、おおむね3年ごとに見直しており今回が第6次計画。30年度の電源構成は、温室効果ガスの削減目標を達成するため、各電源がどの程度必要になるのかを示す重要な指標となる。

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