初の週末、「王国」死守に首相が九州遊説 公明、野党幹部も

 衆院選公示後初の週末となった23日、岸田文雄首相(自民党総裁)が九州入りし、佐賀、福岡両県で激戦区のてこ入れを図った。報道各社などの序盤情勢調査では、自民は公示前議席の維持が困難な状況。保守地盤が厚い「自民王国」の九州でも、守勢の選挙区は少なくない。「選挙の顔」としての力量が問われる首相は、反転攻勢に向け街頭などで懸命に支持を訴えた。

 公示後初めて九州入りした首相が最初に足を運んだのは、佐賀2区内の佐賀県武雄市だった。同市は2年前と今夏の記録的な大雨の被災地。市内の広範囲が浸水するなど打撃を受けた。

 「抜本的な治水対策をしてほしい」。街頭演説後に設けられた車座の意見交換で住民から要望が上がると、首相はメモを取りながら「政府として責任を持って対応したい」と応じた。

 続いて、首相は佐賀1区内のJR佐賀駅前で「隣のスーパーでは新鮮な野菜が大変な人気と聞いた」とご当地の話題に触れ、親しみやすさをアピールすることも忘れなかった。

 2017年の前回選挙では、自民は九州7県で唯一、佐賀の小選挙区で議席を得ることができなかった。今回は1、2区ともに前職が議席奪還を目指すが、共産党が候補を立てなかったことなどで立憲民主党前職との一騎打ちとなり、激しく競り合っている。

 首相が次に向かったのは福岡5区。公認問題がもつれた余波もあり、立民新人と閣僚経験のある自民前職が大接戦となっている。首相は福岡県大野城市の駅前で「今回は前職、次回衆院選では(出馬を断念した)元県議を公認候補」とする党本部の裁定を2回も紹介し、結束を求めた。

 首相は夕方、「九州最激戦区」ともいわれる福岡2区内の福岡市・天神で街頭演説。夜は、自身の出身派閥で副会長を務める自民前職と立民前職が横一線の福岡10区に駆け付けた。

 自民が激戦区を取りこぼし議席を大きく減らせば、首相の求心力は低下し、政権運営は不安定化する。九州では、出身派閥の複数の前職が当落線上の情勢だ。首相は、10区内の北九州市小倉北区の会場を埋めた約2千人を前に「厳しい厳しい選挙。私の盟友をぜひ押し上げてほしい」と危機感をあらわにした。

 (津留恒星、北島剛、下村ゆかり)

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