沖縄戦の遺骨眠る土砂、採取しないで 地方議会の意見書130件超

 沖縄戦の激戦地で、今も遺骨が眠る本島南部の土砂を採取しないよう求める意見書が全国の地方議会で可決されている。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設を巡り、国が埋め立て土砂の調達先に南部の糸満市などを加えたためだ。全国で130件を超え、九州では福岡市や福岡県八女市の議会が可決。沖縄戦では多くの県外出身者も犠牲になっており、移設の賛否を問わず賛同の輪が広がっている。

 福岡市議会は8日に全会一致で可決した。意見書は、戦没者を刻んだ「平和の礎(いしじ)」(糸満市)に福岡県出身の4030人の名があり、周辺では遺骨収集も続いていると指摘。遺骨を含む土砂を採取せず、政府主体で遺骨を収集するよう求めた。原案は基地建設に土砂を使うことに反対する内容だったが、全会派が賛同できるよう修正した。

 発案した荒木龍昇議員は、移設に遺骨を含む土砂を使うことに反対の立場は変わらない。だが、意見書が可決されたことに意味があると考える。「戦争体験が薄れる中、沖縄戦や沖縄の現状を考える契機になったはず」

 沖縄戦では県外出身の日本兵6万6千人を含む計20万人超が亡くなった。南部を中心に3千体近い遺骨が残されているとされる。

 南部の土砂を使う計画は辺野古埋め立て海域で軟弱地盤が確認され、大量の土砂を使用する改良工事が必要になって浮上。防衛省は昨年4月、県に設計変更を申請し、採取地に糸満市や八重瀬町を加えた。

 遺骨収集を続ける具志堅隆松さん(67)=那覇市=は3月、「犠牲者の尊厳を踏みにじる行為」としてハンガーストライキを決行。支援者が全国の地方議会に働き掛け、沖縄県や奈良県、大阪市、金沢市などが同趣旨の意見書を可決。支援者によると、18日現在、沖縄県内25、県外108の計133議会での可決を把握しているという。

 具志堅さんは「遺骨を含む土砂の使用は、基地建設に対する賛否以前の人道上の問題。沖縄戦では県外から送られた若者も犠牲になった。沖縄だけの問題ではないと捉えてもらい感謝している」と話した。

 (野村創)

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