政策は?情勢は?見極めたくてスマホ繰る コロナで変わった1票の意識

投じる ワカモノと衆院選③

 選挙カーが名前を連呼する声が、次第に大きくなる。「次の日曜日はもう投票か」。福岡市のホテルマン、コウタ(29)は家路を急いだ。

 職場は博多駅近く。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、宿泊客の6~7割を占めた外国人が激減、昨年は売り上げがゼロになる月もあった。今月は営業を担当する宴会場の予約が100件入ったが、例年の半分だ。給与は一時、月4万~5万円減った。4歳と1歳の子を抱える家計は厳しい。

 支持者向けの集会や会合を開いてくれる政治家は大事なお客さまだ。しかし、黒っぽいスーツの人たちが何を考え、この国をどうしようとしているのか、あまり関心はなかった。コロナ禍までは。

 通勤の電車内、スマホで各党の公約を見比べる。一見すると同じような政策も深く調べれば違いが分かるかもしれない。投票までの限られた時間、しっかり見極めたい。

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 熊本市内の認定こども園で働く保育士のスズ(25)は、感染拡大防止のための登園自粛が終わり、久しぶりに全員がそろった教室に目を細め、ふと思った。「いつになったらマスクを外す日常に戻れるんだろう」

 気持ちは目まぐるしく移り変わる。政府のコロナ対策に対する評価は、まん延防止等重点措置中は「50点」。10月に入り首相が代わったり感染が落ち着いたりしてくると「60点」に上がった。職場で国の財政が話題になった頃は、各党が打ち出す政策の財源が大事じゃないかと思ったが、今はそこまで気にならない。

 投開票が迫り、衆院選の情勢を目にしたり、耳にしたりする機会が増えた。投開票前最後の日曜日、参院静岡補選で野党系候補が自民党の候補を破った。与党に逆風が吹いているのか、野党に追い風が吹いているのか。自分の周りではどちらの風もあまり感じないが。

 ベッドに入り、候補者や政党の訴えをスマホで見る。誰に、どの政党に、何を判断基準にして「投じる」のがいいのか。1票の行き先はまだ決まらない。

 =文中と表、仮名(川口安子、平山成美、豊福幸子)

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