「めんたいこ!」「何回生まれ変わってもHKT48」 笑いと涙の村重語録

Fの推しごと~2021年10月

 9月19日、HKT48の1期生・村重杏奈(23)が卒業を発表した。人目を引く華のある顔立ちの一方、MCでは抜群のトーク力で会場を沸かせてきた。グループを象徴する「盛り上げ隊長」だが、その歩みは山あり谷ありだった。波乱と葛藤、笑いと涙に満ちた10年間を「語録」で振り返る。(古川泰裕)

お披露目前にHKT人生終わったと思いました

 2012年11月、結成1周年を前にした連続インタビューの第1回に登場した際の一言。11年10月23日、西武ドーム(埼玉県)でのお披露目当日に植木南央らと一緒に寝坊し、集合時間に遅れた。当時から「バラエティー班」を名乗っていた村重らしいお騒がせエピソード。ただ、記事の中では「HKTらしさ」について「まだ何もない」「自分たちでつくっていかないと」と真面目な一面も。

2012年、インタビューに答える村重

若ちゃんは、いつもツンツンしてるけど、かわいいんですよ本当は

 13年1月、宮脇咲良、若田部遥とともに登場した新年企画から。取材は12年末、こたつに入りながらの座談会だった。発する言葉の強さから気が強く見られがちだった若田部。ステージでおちゃらける村重も鋭い突っ込みの対象になったが、その村重自身が若田部の魅力を熱弁した。仲間思いな性格は変わらない。

めんたいこ!

 連発しすぎたため、封印した一発ギャグ「めんたいこ!」。記憶の限り、爆笑を生んだことはあまりなかったが…。13年7月、ヤフオクドーム(当時)で開かれたAKB48グループのコンサートでは、大島優子や小嶋陽菜も巻き込んで決めた。知名度も上昇し、街中で「『めんたいこ!』の人だ」と言われたそうだ。

かつらをつけてノリノリの村重杏奈

かつらに正気を全部奪われた

 17年12月の「月イチ活動報告」で、11月25日の6周年イベントを振り返った。この年のテーマは「ロック」。ステージにかつらをかぶって登場し、花道でエアギターを披露するなど、大暴れで記念日を盛り上げた。かつらは翌年以降の名物となる仮装の始まり。「自分の役割は盛り上げること。6周年でかつらをかぶった時のようなことをやるべきなんじゃないかなと思うので、それを率先してやっていきたい」

 14年以降、自ら望んだNMB48との兼任など、さまざまなチャンスを与えられながら、なかなか目に見える成果につなげられなかった。しかし、17年には深川舞子をセンターとする「村重選抜」による「恋するRibbon!」を発案するなど、HKTへの愛が形を成し始めた。

たくさん迷惑をかけたのに見捨てないでいてくれてありがとう

 19年4月28日、横浜スタジアムでの指原莉乃卒業コンサートで、指原が村重の芸能事務所「ツイン・プラネット」移籍を推薦し、実現したと発表した。一時は「怒られすぎて」顔を見ることさえ避けた村重だが、自身の将来を案じてくれた先輩に涙ながらに伝えた言葉はファンの涙を誘った。

 12年に指原がスキャンダルでHKTに移籍する際、インターネットを中心に渦巻く批判の声に「さっしーは私が守る」と宣言。その言葉に指原がどれだけ救われたか。2人の師弟愛は、HKT史に残る最も美しいストーリーの一つである。

指原莉乃卒業コンサートで抱き合う指原と村重

今日ここにいないメンバーもいるけど、みんなでHKT48なので、ずっとずっと仲良しのHKTでいられたらと思います

 20年1月、東京ドームシティホールで開催された選抜メンバー16人によるコンサート。村重はセンターに抜てきされるも、100分後に“お役御免”の憂き目に。村重ならではの展開だったが、ステージに上がれなかった仲間への思いは決してちゃかさなかった。

何回生まれ変わってもHKTのオーディション受けよ

 20年10月、新型コロナウイルス感染から復帰した後、ツイッターにつづった。感染発表後、メンバーとファンは「村重杏奈のメンタルはみんなで守る」というハッシュタグを拡散。この年の3月、村重自身が新センター・運上弘菜を支えるために呼びかけた言葉のオマージュだった。復帰初日、恐竜の動きをまねて登場する村重を、メンバーは「シゲちゃーん」の大合唱で迎え入れた。

10年かかって、やっと目標を達成することができたと思った

 最後は9月19日の卒業発表のスピーチから。「必要とされる存在になること」、それが村重の目標だった。そして、その実感通り、村重の存在感は「今」、一番大きくなった。

 アイドルとして、道を誤ることがなかったとは言えないかもしれない。だがグループやファンのために体を張り、頭を悩ませ、仕掛けを工夫する、ここ数年の姿は10年の歩みの中で最も輝いていた。HKTが誇るエンターテイナーが、10年にわたって刻み続けた言葉の数々が証明している。

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