現場から始まる一歩 「阿蘇踏査の歩み」(83)

【聞き書き】熊本大名誉教授 渡辺一徳さん

 大学の授業や卒論指導で学生と接していて時々、「えっ」となります。「この石はどこに行ったら採れますか?」と、聞いてくる学生がいるのです。

 話を聞くと、自ら調べたり、探しに行ったりした形跡がありません。温厚な私は怒ったりしませんが、心の中では「おいおい」と、あきれてしまうのです。

 私たちの論文では「はじめに」と題し、テーマの論述に入る前、かなり基本的な話から書き始めます。まどろっこしく感じるでしょうが、これは先達の研究の歩みに敬意を払ってのこと。記述ごとに、研究者の氏名や発表時期を明示しているのもそのためです。...

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