もう一度 藤志鶴子

 外はきれいな秋の青空。急に肌寒くなり衣替えをした。この仕立ての良いスーツも、ピシッとアイロンのかかったシャツも、もう袖を通すことはないだろう。

 そんなに急がなくてもいいのに、夫はまるで急坂を転がり落ちるように認知症が進んでいく。先生方はもちろん介護の方々、娘も孫たちも手を尽くしてくれる。...

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