懸命に生きる命、誠実に向き合う 記者ノート

 シュー、と音がした後の数分間、「簡易処分機」の小窓から中を見ていた。真っ黒な瞳がこちらを見たような気がした。視界の隅に操作盤の赤い「停止」ボタンが映る。いっそ押してしまおうか。取材など放り出して「私が引き取ります」と言ってしまおうか-。

 連載初回で紹介した福岡市東部動物愛護管理センター(同市東区)の殺処分の現場。生後2週間ほどの子猫が身もだえするのを見ながら、あらゆる可能性を考えた。1人暮らしのアパートも借家住まいの実家もペット不可。いくら考えても、私にはこの子を救うすべも、関わる資格もない。立ち尽くすしかなかった。...

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