郵便局長のカレンダー配布中止 経費で購入し政治活動「疑念出ている」

 全国の郵便局長が日本郵便の経費で購入されたカレンダーを自民党参院議員の後援会員らに配布した問題を巡り、親会社の日本郵政の増田寛也社長は29日の記者会見で「疑念がいろいろ出ている」と述べ、本年度は局長が年末年始に顧客宅を訪問してカレンダーを配布する活動は控える方針を明らかにした。増田氏はカレンダー配布に当たり、郵便局の顧客情報が政治活動に利用された疑いがあるとして調査対象に含める考えも示した。11月中に内部調査を終え、結果を公表する。

 内部資料などによると、カレンダーは2019年と20年に総額6億円超の経費で計約400万部が購入されたとみられる。小規模局の局長約1万9千人でつくる任意団体「全国郵便局長会」内で、支援する参院議員の後援会員らを訪問して配るよう指示が出ていたことが明らかになっている。

 増田氏は、カレンダーの経費購入は18年から始まったと明らかにした。本来は顧客へのあいさつの際の贈答品だが、「業務活動と政治活動の線引きがきちんとできていたのか、よく実態を把握したい」と話した。来年用のカレンダーは製作済みで、取り扱いは今後決めるという。

 郵便局長を巡っては、地区役員の局長が実質的に採用などの人事権を持っているとされる。局長らは半強制的に局長会に加入させられ、政治活動に参加している実態がある。

 増田氏は「近代的な組織、会社形態としては不十分だと思うので、実質的に(会社が)人事権を行使できるように体制強化に取り組んでいる。局長会に入会していないことで何かが困難になるということはあってはならず、仕組みを見直さなければならない」と語った。

(宮崎拓朗)

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