山尾悠子編『須永朝彦小説選』 言葉の牙、喉元にそっと

 不眠症に悩んでいた大学生のころ、古書店の棚に妙に引かれる書名の本があった。『就眠儀式』(1974年刊)。副題は「須永朝彦(あさひこ)吸血鬼小説集」。吸血鬼にとって「朝」は天敵では…などと考えながら買った。旧仮名遣いを多用した独特の文体。「耽美(たんび)小説の聖典」と評された、美しき吸血鬼と美青年に...

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