野党共闘「一定の効果」止まり 政権交代に力足りず、共産との連携課題

 野党は、統一候補による共闘で選挙戦に臨んだものの、与党の過半数維持を許した。事実上の「2極対決」で自民党に対抗したが、政権交代をうかがう勢力は築くことができず、来年の参院選に向けて立て直しは必須だ。一方、他野党と一線を画し、政権批判の受け皿となって躍進した日本維新の会は「第三極」として存在感を高めた。

 「かなりの選挙区で接戦に持ち込め、東京8区など勝たせてもらった。共闘は一定の効果があった」

 立憲民主党の枝野幸男代表は31日夜、東京8区で自民・石原伸晃元幹事長を、立民新人が破ったことを挙げ、共闘効果を強調。神奈川13区でも自民の甘利明幹事長を立民新人が破る“金星”を挙げた。

 ただ党全体での議席獲得は伸び悩んだ。枝野氏は「空中戦だけではなくて地に足をつけて広げていく日常活動をしていくことで、自民党の岩盤の支持層と対抗できる力をつけないといけない」と総括した。

 野党勢力は今回、2017年衆院選で旧民進党が分裂し、非自民票がばらけたことを反省。立民、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党の野党5党が、全国7割以上の213選挙区で候補を一本化した。

 立民が取り込みを狙ったのが、1選挙区に2万票程度とされる共産票だ。ただ、立民と共産との外交・安全保障政策や理念の違いが、「アキレス腱(けん)」に。立民が政権を獲得した場合、共産が「閣外協力」する合意についても与党側から「立憲共産党」「野合」と批判された。

 選挙戦では、枝野氏が持論とする「分配」重視政策を掲げたが、岸田文雄首相の経済政策と似通い、対立軸がぼやけた。立民関係者は「保守層の政権批判の受け皿になれず、維新に奪われてしまった」とみる。

 共闘の一翼を担った共産は公示直前に22選挙区で候補を降ろし、立民候補の支援に転換。比例で政権批判票の獲得を狙った。志位和夫委員長は31日夜、「暮らしや平和、ジェンダーなど自公政治を切り替える要の政策を合意し戦った。(共闘は)一定の効果を上げている」と強調した。

 九州でも立民と共産の幹部らが並んで街頭演説するなど、各地で「協力深化」の動きも。共産への抵抗感が強い立民の最大の支持母体・連合は両党の接近に反発しており、衆院選後に総括する方針だ。参院選での共闘態勢の火種になりかねない。

 立民幹部は「共産とは自公政治を変えるというベクトルは同じ。参院選までに少しずつ(連合との)糸を解きほぐしながら戦い方を考える」と先を見据える。

 一方、国民は政策面の違いから、立民や共産などが交わした共通政策には合意しなかった。玉木雄一郎代表は31日夜、「外交・安保やエネルギー政策は国家の根幹にかかわり、合意できなかった。2期目を目指した長崎1区や茨城5区で『1対1』の構図にならなかったが、当確を早々と出せた。ある種の筋を通して戦って結果を出せたことは、良かった」と話した。

 (郷達也)

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