沖縄知事の地元で自民に敗北 「オール沖縄」揺らぐ結束

 10月31日投開票の衆院選で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題を抱える沖縄県内の四つの小選挙区は、移設に反対する政党などでつくる「オール沖縄」が2勝、容認する自民党が2勝の痛み分けとなった。ただ、オール沖縄は移設先の名護市があり、玉城デニー知事の地元でもある3区で議席を奪われた。来年の名護市長選や知事選に向けて、体制の立て直しが急務となりそうだ。

 「力不足で申し訳ありません」。1日午前3時。約7千票差で敗れた3区の立憲民主党前職、屋良朝博氏は比例復活も果たせないことが決まり、支援者に頭を下げた。

 オール沖縄は2014年に誕生し、同年の衆院選で県内の選挙区を全勝。17年も4区以外は勝っており、3区で敗れた衝撃は大きい。知事側近の県議は「新型コロナウイルス禍で経済が苦しくなる中、(移設反対の)大きな主張が浸透せず、目前の不安を解消する生活感のある政策が選ばれた」と唇をかんだ。

 保革を超えて移設反対で結束してきたオール沖縄は近年、保守系議員や経済界の離脱が相次ぐ。オール沖縄の支援を受ける玉城知事は1日、「『辺野古』への反対は依然多い。ぶれることはない」と移設阻止を訴え続ける考えを示したが、県議からは「戦略を練り直さなければ」との声も漏れる。

 自民は勢いづく。県連幹部は今後行われる選挙も見据え、「辺野古は完全に争点ではないことがはっきりした。知事選への影響は非常に大きい」と喜んだ。自民の4候補は選挙戦で「辺野古」にほとんど触れなかったが、3区で初当選した新人で元参院議員の島尻安伊子氏は「『普天間の危険性除去が第一』と話してきた。有権者は大変重い判断をした」と勝利した意義を強調した。

 だが、自民側は来年1月の名護市長選は現職を推す方針だが、同年9月に任期満了を迎える知事選で玉城知事の対抗馬は未定だ。県連幹部は「早急に決める」と話すが、県政奪還に向けて残された時間は多くない。

 (野村創)

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