郵便局長会の経費流用、参院選候補ら幹部が主導か 内部資料を入手

 全国の郵便局長が日本郵便の経費で購入されたカレンダーを自民党参院議員の後援会員など支援者に配布した問題を巡り、全国郵便局長会(全特)の役員らが2020年2月、カレンダーについて協議した会議の概要が、西日本新聞が入手した内部資料で明らかになった。会議では19年末に各地方で後援会員らに20年用のカレンダーを配布したと報告され、21年用の調達についても「会社と継続交渉する」と記されている。全特が組織ぐるみでカレンダーを政治活動に利用し、同社に費用負担を求めていた疑いが強まった。

 会議には、全特が来夏の参院選比例代表に自民公認の新人候補として擁立を決めている長谷川英晴氏が出席。関係者によると、長谷川氏は当時、選挙対策など「政治問題」担当の全特副会長で、19年11月の全特役員会では「年末時のカレンダー配布等、お客様対応」について説明しており、カレンダー配布でも重要な役割を果たしたとみられる。

 西日本新聞は、全特と長谷川氏に対し会議の内容などを質問した。全特は2日、「一括回答する」とした上で「支援者は郵便局を支援していただいている方のこと。支援者も後援会員も郵便局長が日々お付き合いしているお客さまであり、事務連絡や会議などで用語を明確に区別できていなかったことが分かり、今後は注意する」とコメントした。

 日本郵便は、全特側から経費要求があったかなどについて「事実関係を確認している」とした。

 入手した内部資料は、全特役員らで構成する「政治問題専門委員会」の20年2月26日の議事概要。

 資料によると、長谷川氏は冒頭あいさつで22年夏の参院選に言及。その後、19年末のカレンダー配布について、各地方の役員が「後援会員への対面交付を基本にして、(地域の取りまとめ役の)部会長の指示・管理のもと配布を行った」と報告。参院選の議題では、20年末に向け「会社に対して、カレンダーを前回並みに調達できるよう折衝する」との説明があった。

 内部資料などによると、カレンダーは「顧客への贈答品」との名目で19、20年に計6億円超の経費で約400万部が購入されたとみられる。複数の局長が「地区役員の局長から後援会員ら支援者に配るよう指示された」と証言している。

 全特は小規模局の局長でつくる任意団体。過去3回の参院選に自民党から組織内候補を擁立、当選させた。

 (宮崎拓朗、小川勝也)

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