コロナ禍の子どもたちに食べてほしい 「フードバンク」広がる支援

 新型コロナウイルスの影響が長引く中、子ども食堂や生活困窮者らに食料品を提供する「フードバンク」に協力する個人や企業が増えている。子ども食堂は、コロナ禍で対面の食事が難しくなったが、主催者たちは弁当や食品の配布に切り替えて子育て世帯などの支援を続けている。食品提供が増える背景には企業が「食品ロス」削減に積極的に取り組むようになったこともある。

 10月14日昼、福岡県太宰府市の「エフコープ太宰府支所」に子ども食堂の運営者たちが続々と集まってきた。月に1度、「ふくおか筑紫フードバンク」(同県筑紫野市)に寄付された食品を提供する日だ。ボランティアら約40人が鍋つゆやレトルトカレー、タマネギなどの食品を仕分け、車に積み込んだ。エフコープ太宰府支所は食品を保管する冷蔵庫などを筑紫フードバンクに提供している。

 太宰府市で子ども食堂を開く「こどもみらい」もこの日、お菓子や飲み物を受け取った。コロナ禍で食堂での食事は中止し、昨年9月から月1回、ひとり親家庭を中心に40~50家庭に食材を届ける「フードパントリー」を実施している。森悦子代表(58)は「月1度でも顔を合わせることで、つながりも生まれるし、喜ばれるのでうれしい」と話す。

 筑紫フードバンクに登録している子ども食堂55団体のうち半数が活動休止、半数がフードパントリーをしている。事務局を担う認定NPO法人「チャイルドケアセンター」(福岡県大野城市)の大谷清美代表理事は「食堂には来づらかった家庭にも食品を届けられるようになり、つながりが広がっている」と話す。

 フードバンクには休校で不要になった給食の食材や観光地で余った土産品などが集まり、最近では生理用品や化粧品なども寄せられる。

 筑紫フードバンクへの食品の寄付は、2019年度は約9・5トンだったが、コロナの影響が本格化した20年度は約3倍の約27・3トンに達した。北九州市の「フードバンク北九州ライフアゲイン」も19年度の48・8トンから20年度は90・5トンに増加。寄付の窓口役を担う「福岡県フードバンク協議会」は昨年3月に約140団体だった協力者が今年10月現在では約200団体まで増加した。

 国内では、年間約643万トンの食品ロスがあり、毎日国民1人当たり茶わん1杯分を廃棄する量に相当する。このうち約291万トンは家庭からの廃棄だ。2019年に食品ロス削減推進法が施行され、まだ食べられる食品を活用しようという機運は高まっている。

 福岡県フードバンク協議会の向居秀文事務局長は「コロナ禍で食品を待っている人は増えており、経済不安や孤立を防ごうと、フードバンクや子ども食堂を立ち上げたい人も少なくない。多くの人に協力してほしい」と呼び掛けている。 (平峰麻由)

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