あの日の春秋:qBizから西日本新聞meへ(2012年11月1日)

動物の骨を道具に使うことを知った猿人が、それを宙に放り投げると時空を超えて宇宙船に変わる。有名なSF映画「2001年宇宙の旅」(1968年)の冒頭シーンだ。人類の進化を哲学的に表現していた▼のろしや伝書バトで始まった通信手段を、あのシーンに借りるなら、放ったハトはいくつもの時代を経て世界中の情報を瞬時に得られる携帯端末を出現させるに至った▼通信手段の進化は、情報を商品とする世界を変えていく。変化の波は、伝書バトをかつて使った新聞にも及ぶ。21世紀を見渡して広げて言えば、新聞を発行する側にも読む側にも等しく及ぶ▼50年後、100年後の新聞はどういう姿になっているだろう。紙の新聞とネット上の電子新聞が役割を分かち、補完し合って共存する図も浮かぶ。細部まで正確に予測できる人は多分いない▼小社は先月1日から「西日本新聞経済電子版」(qBiz=キュービズ)を発行している。qは九州を、Bizはビジネスを表す。本紙と同様に、読者と一緒に作っていきたい。宣伝がすぎるかもしれないが、のぞいてみて、声を寄せていただければ幸いです▼電子新聞の姿かたちは半ば手探り状態のところが多いと聞く。もとより手品師がシルクハットからハトを出して喝采を浴びるようなわけにはいかない。時代がどんなに変わっても、地域に生き、読者とともに歩む新聞でありたい。西日本新聞の願いです。(2012年11月1日)

 特別論説委員から 「qBiz」のウェブサイトは2019年3月末で終了しました。この間、紙面掲載より前の速報、紙面に収まらない量の記事や写真、動画を掲載するなど、デジタル時代に先駆けた新たな試みは、西日本新聞の財産になりました。一方、16年10月には全紙面をネット上で閲覧できる「西日本新聞電子版」もスタート。ことし2月1日、さらにパワーアップして「西日本新聞me(ミー)」に生まれ変わりました。「あの日の春秋」は西日本新聞meだけの特別コンテンツです。自信を持った宣伝です。(2021年11月7日)

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