創立120周年の嘉穂高校 4万人超の卒業生が受け継いできた「嘉穂魂」

 1902(明治35)年に嘉穂郡立嘉穂中学校として開校してから120周年。明治、大正、昭和、平成と激動の時代を乗り越えてきた福岡県立嘉穂高校の歴史は、「悠久のわだち」となって令和の時代へとつながれている。

 卒業した生徒は2020年度までで4万1142人。同年度、教育の機会を幅広く提供してきた定時制課程は4341人の卒業生を輩出し、幕を閉じた。一方、15年に2クラスで開校した付属中学校は、昨年3月、初の卒業生307人を送り出した。

 現在、嘉穂高校に在籍する生徒数は1121人(内中学生231人)。120年にわたり重ねてきた「想い」が、今日も変わることなく引き継がれていく。

スーパーサイエンスハイスクール指定生かし、独自のプログラムへ

 嘉穂高校は2011年、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、半年間にわたって週に一度、九州工業大学で授業を受けるなど科学技術や理数系の教育に重点を置いてきた。

 15年度で指定期間が終了。嘉穂高校付属中学の開校で、中高一貫となったタイミングで独自のキャリア教育プログラム「嘉穂Dream Compass(KDC)」がスタートした。

 理系文系を問わず、生徒が国内外で興味を持つ分野について、幅広く学ぶことを目指した。最先端の科学技術や情報を学ぶ「科学・情報プログラム」と、現代社会の問題や国際交流に特化した「グローバルプログラム」で構成。二つのプログラムを通して、興味を持つ分野について考察を深めながら、将来を考える「キャリアプランニング」を行う。SSHで国から支援を受けてきた資金面は、同窓会が支えている。

 当初はさまざまな職業に就く社会人を講師に招く「創志セミナー」や、大学について知る「一日総合大学」などイベント中心だったが、19年度からは通常のカリキュラムに組み込み、3年間かけて将来についてじっくりと考える「総合的な探究の時間」として取り組んだ。

 1年時は「探究基礎」の期間。地元の問題解決を探る「いいづか学」のほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)など、さまざまな課題についてグループで調査や分析をし、仲間に向けて発表する。その過程で新たな視点や考え方を養うといった「探究」の基本手法を身に付ける。

 「探究発展」の機会と捉える2年時には、前半はグループ、後半は個人で探究を行う。各自が1年間かけてテーマを深め、将来の方向性を定めていく。また1、2年生を対象に九州工業大学の留学生との交流会「フィールドトリップ」や国内外での研修などを通じて、興味のある分野をより実践的に研究し、将来像を具体化する。

 3年時には卒業後のキャリアを考えながら、「学びの計画書」を作成し、「探究完成」となる。

 希望者には現地で本物に触れる機会を数多く設置しているのもKDCの特徴。南九州や関東で数日間かけて行う研修には、5年間で280人が参加した。

 19年から始まった海外研修には、学校独自の留学支援制度「トビタテ!留学嘉穂」と「世界に打って出るKAHO高生育成プログラム in USA」があり、これまで10人の生徒が夏休みを利用して米国に渡り、学びを深めた。

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