オーシャン・ヴオン著『地上で僕らはつかの間きらめく』 痛みが浄化される瞬間

 「僕が話しているのは物語というより、難破船の残骸だ-」

 物語は読み書きができない母へ宛てた手紙、という形式で語られる。海に浮かび光を受けてきらめく破片を拾うように記憶を辿(たど)っていくのは、幼少時に母や祖母とともにベトナムからアメリカに渡った、著者とよく似た境遇を持つ「僕」。

 彼らはそれぞれ...

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