安全脅かす「違法建築」九州に2500棟超 進まぬ是正、長期放置も

 防火設備や耐震性に不備があったり、許可されていない使い方や増改築をしたりする建築基準法違反の「違法建築」が、九州7県で少なくとも約2500棟(2020年度末時点)に上ることが西日本新聞の取材で分かった。違法建築の是正指導を担う自治体にも実態の全容把握は難しく、違法状態が長期間に及ぶ建造物もあるとみられる。識者は「是正の徹底に向け、実態把握や制度の検証を進めるべきだ」と指摘する。(梅沢平)

 違法建築に対する是正指導は建築主事を置く「特定行政庁」が行い、九州では36自治体ある。このうち、九州7県と各県庁所在地7市、福岡県内3市の計17自治体に、今年3月末時点の違法建築の棟数と違反内容別の件数を聞いた。

 違法建築は計2548棟。内訳は、建築や増築時に義務付けられた確認申請の手続き関連(建築基準法6条)1024件▽避難や消火設備関連(同法35条)581件▽住宅街にある工場や事業所など建築制限関連(同法48条)493件-など。1棟に複数の違反が確認された建物も多く、違反件数は計4958件に上った。

 違反内容によっては建て替えや改修が必要となるが、是正指導に従わない事例も目立つ。複数の自治体関係者が「長年にわたって指導中の物件もあり全容把握できていない」「指導中か是正済みか、既に記録がない物件もある」と話すなど、長期間放置されている恐れがある。

 違法建築を巡っては、2013年2月に5人が亡くなった長崎市のグループホーム火災や、同年10月に10人が犠牲になった福岡市の医院火災で防火扉の不備が判明。18年6月の大阪府北部地震では、小学4年の児童が補強が不十分なブロック塀の下敷きになって亡くなるなど、安全を大きく脅かす。

 NPO法人「建築Gメンの会」(東京)の大川照夫理事長(1級建築士)は「違反内容によっては災害時に壊れて道をふさいだり、居住者や周辺に危害が及んだりする危険も大きい。違法建築の追跡調査など、改善に向けて議論すべきだ」と訴える。 

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