住宅地に工場…悪臭や騒音「ずっと我慢」30年 動かぬ行政、募る不信

 「30年以上、近所にある違法建築に悩まされている」。福岡県内の40代女性は西日本新聞「あなたの特命取材班」にこう訴える。自宅近くの民家敷地内にあるプレハブは印刷工場として使われていたとみられ、建築基準法の「用途地域内の建築制限」違反の疑いがある。長年臭いや騒音に悩まされ、行政に相談したが、対応は鈍く、不信感だけが募っている。

 「ずっと我慢する生活でした」。プレハブが建ったのは1990年ごろ。インキのような鼻を突く臭いや機械音に、家族も周辺住民も悩まされ続けた。行政に訴えても「既に建っているし、仕事をしているなら許可は得ているのでは」との回答。法律の知識は乏しく、泣き寝入りするしかなかった。

 2019年10月。「用途違反ではないか」。相談会で弁護士から助言を受けた。自ら調べると、自宅周辺は都市計画法が定める「第1種低層住居専用地域」で、住宅や学校、保育所などを建てることはできるが、工場は建築基準法に違反する。

 建築行政を管轄する県に訴えた。当初は「20年以上前の建物は申請なしで問題ない」「工場でなければ良い」との見解だった。再三訴えた結果、プレハブを建築する時に必要な手続きを踏んでいなかったことも判明した。

 県が是正指導したとみられ、20年秋ごろから操業の様子はなくなった。ただ、女性が求めている撤去に進展はなく「不快感は拭えない。長年にわたって違法行為が見過ごされている」と憤る。西日本新聞の取材に県の担当者は「違反や是正の内容については守秘義務があるため答えられない。粘り強く是正を働き掛けていく」との回答に終始した。 (梅沢平)

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