マナ、忘れないよ 今年逝った、リロのパートナー

ラッコ飼育員便り③

人工哺育、試行錯誤の連続

 今回は、今年2月22日に9歳で死んだ雌のラッコ、マナについてお話します。マナのパートナーで今もマリンワールドの人気者、リロ(雄14歳)との仲むつまじい様子を覚えている方も多いかもしれませんね。

 マナは、2012年1月25日、マリンワールドで生まれました。父親はナダ、母親はマリンです。マリンも当館で生まれています。その母のチサは長崎の水族館で誕生しました。チサの母のサキは当初、米国で野生の個体でしたが、その後長崎で飼育されるようになったと聞いています。ですので、マナは国内飼育の「4世」と呼ばれていました。現時点で、国内の繁殖で成功したとされるラッコはマナが最後です。

 マナは、出産後1時間で初授乳したのですが、生後10日目から人工哺育を始めました。マリンが育児放棄をした…わけではなく、おっぱいの出が悪かったのです。次第にマナの動きが悪くなったことで決断しました。当館の近くの動物病院に入院し、酸素室に入れるなどして治療し、退院後、人工乳を飲ませ始めました。ただ、国内で生後10日目からの人工哺育は初。試行錯誤の連続で、非常に大変でした。スタッフ全員、マナの命を守りたいという思いでいっぱいでした。

 初めはイヌやネコ用のミルクを与えたのですが、下痢をしました。そこで現在の館長が、ラッコの保護に詳しい米・アラスカ州のシーライフセンターにメールし、ミルクのレシピを聞きました。それを基に、ウチムラサキカイやイカ、低脂肪乳、生クリーム、ビタミン剤、整腸剤などをミキサーにかけたものを裏ごしして、作ったものを飲ませるとすくすくと育ってくれました。離乳した生後約4カ月までは24時間態勢で見守りました。その後は大きな問題もなくほっとしましたね。

 リロとのコンビは本当に人気で、お別れしたときは本当にやるせない思いでした。たくさんの思い出をくれたマナは忘れたくても忘れられない大事な存在です。(マリンワールド海の中道・海洋動物課主任 濱野真さん)

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