タイ王室改革要求は違憲 憲法裁判断、学生らに運動停止命令

 【タイ・メソト川合秀紀】タイ憲法裁判所は10日、昨年来の反体制デモで若者たちが訴えた王室改革要求について、国家と王室の打倒を目的とする違憲行為に当たると判断し、王室に対する運動をやめるよう命じた。長年タブーだった王室批判を展開して注目を集めた動きはこれにより、事実上封じ込められることになった。

 複数の地元報道によると、大学生や人権派弁護士らデモ隊のリーダー3人が訴えた国王の政治不介入や不敬罪の廃止、王室財産の透明化などの要求について、憲法裁は「国王を元首とする民主主義体制を打倒する権利や自由を誰も行使できない」と明記した憲法49条に反すると認定。その上で「3人や他の組織は活動を停止しなければならない」と命令した。

 憲法上、憲法裁の決定は確定判断となる。3人のうち大学生の女性(23)は自身の会員制交流サイト(SNS)に「私は『(王室)打倒』ではなく『改革』を求めただけだ」と投稿した。

 タイ政府はデモが激化した昨秋以降、2年以上停止してきた不敬罪の運用を再開し、数十人を摘発。3人も既に不敬罪や扇動罪などに問われているが、今回の判断により、最高量刑が死刑の反逆罪に問われる恐れがある。憲法裁は王室や政府の影響下にあるとされ、ある人権派弁護士は「政府や王室が体制批判自体を封じ込めたい狙いが明らかだ」と批判している。

 王室に関連した憲法裁判断では、2019年3月、王女を首相候補に擁立しようとしたタクシン元首相派政党の行為を違憲として解党を命じたことがある。

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