立憲民主代表選 国民の視線で再生論じよ

 野党第1党としての存在感を取り戻せるか否かの正念場だ。

 衆院選の大敗で辞任した枝野幸男前代表の後任を決める立憲民主党の代表選がきょう告示され、4人が立候補する見込みだ。

 新代表には衆院選での共産党との共闘を総括し、来夏の参院選に向けて態勢を立て直す重い役割が課せられる。共闘を続けるにしても見直すにしても、共産を含む野党各党や共闘反対の連合との間に立ち、複雑な調整をこなさなければならない。

 政治家としてあえて「火中の栗」を拾いに行く気概が求められる。ところが党内は枝野氏の辞任表明から2週間にわたって様子見ムードが続き、告示直前に出馬表明が相次いだ。

 前哨戦が低調に終わった一点をして、党勢の衰えを如実に物語っているのではないか。首相退陣というピンチをチャンスに変えた自民党とは好対照だ。

 今回の代表選では世代交代も求められている。

 下野して9年たつのに、いまだ旧民主党政権の負のイメージが拭い切れていない。支持が伸び悩む要因でもある。代表選には旧民主の中核メンバーは出馬すべきでないという暗黙の了解のようなものがうかがえる。

 結果的に代表選は閣僚経験がない顔触れで争う見通しとなったが、一般的な知名度不足は否めない。しかも党内各グループ内の調整や推薦人集めといった水面下の動きに忙殺され、肝心の候補者本人や政見のお披露目は後回しになってしまった。

 こうした姿が有権者の目に人材不足と映っても仕方はあるまい。共同通信の電話世論調査では、枝野氏の後任にふさわしい人について「分からない・無回答」が6割近くに及んでいる。

 4年前の衆院選直前に旧立民を創設した枝野氏は、昨年の旧国民民主との合流も主導した。トップダウンの党運営により、枝野氏に任せきりの雰囲気が党内に生まれたことも事実だ。共産との共闘や世代交代の遅れは、その帰結と言えるだろう。

 共闘についても枝野氏は、徹底して分かりやすく説明する姿勢に欠けた。共産と合意した「限定的な閣外からの協力」は「閣外協力」と違うなどと繰り返した。これに納得できた有権者がどれほどいただろうか。

 代表選の候補者は仲間内で通じる言葉でなく、有権者に届く言葉で与党と異なる現実的、具体的な選択肢を示すべきだ。今回は地方議員や党員らも投票できるが、何より意識したいのは国民の視線の方である。

 まずは目指すべき国家像や社会の在り方、それを実現する政権の姿を党内でしっかりすり合わせてほしい。共闘の是非はその上で結論を出せばよい。

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