冷凍かしわめし、反響熱く 「東筑軒」創業100年で初の挑戦

 名物駅弁「かしわめし」で知られ、今年創業100周年を迎えた「東筑軒」(北九州市八幡西区)が、この名物弁当を急速冷凍し、新商品として今月から通販を始めた。イベントなどを除いては福岡県内でしか味わえなかった“地域限定の逸品”だけに、全国から注文が相次いでいるという。コロナ禍に苦しむ同社の業績改善に向けた「希望の星」として期待されている。

 「かしわめし」は1921年の創業時に誕生した「親子めし」がルーツ。秘伝の調味料と鶏がらスープで炊いたご飯に、甘く煮た鶏そぼろと錦糸卵、のりがトッピングされた看板商品だ。当時の開発者が、全国に地域色のある駅弁が少ないと感じたことがきっかけで生まれたという。以来、さまざまな駅弁大会で紹介されて知名度も全国区に。首都圏でのイベントで「福岡以外でも味わいたい」といった声が寄せられていた。

 東筑軒はこれまでにも、冷凍商品化について研究を重ねてきたが、解凍時の味と食感の劣化がネックとなり販売は見送られてきた。

 転機が訪れたのは2018年。佐竹真人社長(64)が委託業者の工場で最新の急速冷凍設備を知り、翌年に導入を決断した。

 新商品は炊きたてご飯を即座に冷凍することでご飯のしっとり感を再現。具は冷凍前の真空処理方法を工夫し、解凍後もふわふわの錦糸卵と軟らかい鶏ミンチの食感が維持できるようになった。自然解凍がよりおいしいというが、担当者も「駅売りの弁当と変わらない味」とうなる。

 コロナ禍で売り上げが7割減の月があるなど苦境は続く。経営改善の打開策として開発を加速させた佐竹社長は「あらゆる新技術を取り入れ、100年続いた味を守っていくのが使命」と語った。「冷凍かしわめし」は3個1セットで2千円(税込み)。詳しくは東筑軒オンラインショップ

 (金田達依)

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