熊本知事「ダム事業に流域住民の目」 容認1年「命と環境を両立」

 熊本県の蒲島郁夫知事は、昨年7月の豪雨で氾濫した球磨川流域の治水を巡り、かつての「脱ダム」から「ダム容認」へと方針転換して1年となる19日、西日本新聞のインタビューに応じ、環境への影響を不安視する流域の声を踏まえ、ダム事業を常時チェックする住民参加型の体制を整備する考えを明らかにした。

 蒲島知事は昨年11月19日、「新たな流水型のダムを国に求める」と表明。「『命と環境の両立』こそ流域の民意」ととらえ、「緑の流域治水」を提唱した。

 知事の要望を受け、国はすぐに流水型ダムの検討に着手。今年5月には環境影響評価(アセスメント)法と同等の調査の実施を表明した。ダムを含む具体的な治水策の議論も8月に始まり、10月には学識者による旧川辺川ダム計画予定地の視察も実施。着工時期や建設地は未定のまま、手続きが着実に進んでいる。

 一方、流域住民の合意形成は道半ばだ。かつて「反ダム」の民意がうねりとなり、2008年9月の「白紙撤回」表明につながった歴史があり、水害後も環境悪化への懸念は根強い。

 蒲島知事は19日のインタビューで「命と環境を守るのは(球磨川治水の)大前提」と改めて強調。「流域住民らが参加して、進捗(しんちょく)や方向性、本当に環境に配慮したダムになっているのかを常に確認する組織をつくる」とし、時期については「ダムの諸元、遊水地も含めた整備計画が具体化した後」とした。

 (古川努)

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