11月の糸島にシャアシャア大合唱⁉セミを勘違いさせた過去にない気候条件

 11月中旬なのにセミの大合唱-。「シャア、シャア、シャア」とクマゼミが鳴いているのを、九州大総合研究博物館の丸山宗利准教授(昆虫学)が16、17日の2日連続で福岡県糸島市で確認した。この時期の鳴き声は最も遅い記録とみられ、8月の長雨や夏日が続いた10月上旬の気候などが背景にあるようだ。

11月17日に福岡県糸島市の笹山公園で確認されたクマゼミの鳴き声(九州大総合研究博物館の丸山宗利准教授提供)

 主に九州や四国、西日本などの暖かい地域に分布するクマゼミ。7月中旬ごろから姿を現し、9月上旬ごろまで活動する。6~8年を土の中で過ごし、地上では数週間から1カ月程度の命。福岡都心部のビル街でも聞こえるその声は夏の風物詩だ。

 丸山さんが鳴き声を久しぶりに聞いたのは今月16日。秋晴れに恵まれて暖かかった昼前、同市の笹山公園を散歩中に耳にした。翌日も再訪し、動画に収めた。姿は見つけられなかったものの、「こんな時期に聞こえるとは」。

 「クマゼミに間違いない」。丸山さんが動画を見せた研究者仲間は口をそろえた。セミの鳴き声を調べている九州大農学研究院の紙谷聡志准教授(昆虫学)によると、記録がある2002年以降では、08年10月16日を大幅に更新する遅い記録という。

 気温や降雨が影響するとされるセミの羽化。今年は8月の長雨で気温が下がり、例年より早く鳴き声が響かなくなった。10月の季節外れの暑さや適度な雨に刺激され、夏に羽化しなかったセミが出てきた可能性があるという。「過去にない気候条件がそろい、勘違いしたのかも」と紙谷さん。

 丸山さんは「気候変動の影響が身近に表れている。耳を澄ませば、変化に気付くかもしれませんよ」と話している。

 (梅沢平)

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