急ぎすぎた「禅譲」路線…ベンチに戸惑い生んだ指揮官の変化

検証2021福岡ソフトバンクホークス

 就任7年目の今季。工藤監督に変化があった。「報告は(コーチ陣に)詳細に聞いているから」。昨季までは日付が変わるまで球場に残り、選手の状態や起用法、データなどをチェックするのが常だったが、帰宅時間は明らかに早まった。

 その背景には、将来の監督候補として9年ぶりに復帰した小久保ヘッドコーチの存在もあった。キャンプでの野手陣の強化メニューはもちろん、選手起用や戦術面についての立案も一任。幾度となく「お任せしていますので」と口にした。

 昨季までは工藤監督が攻守両面の細部まで采配を振っていた。それだけに選手らには「ベンチに監督が2人いる感じ」との戸惑いも生まれた。そこに故障者の続出、重用されたベテランの不振、振るわないチーム成績などが追い打ちを掛けた。

 4連敗で勝率5割となった6月28日の西武戦。京セラドーム大阪に首脳陣だけが残ったミーティングで、工藤監督は打開案をコーチに諮った。結果的に、ここを契機に昨季までの工藤監督主導のスタイルに戻ったが、歯車は狂ったままだった。

 2年契約の最終年だった工藤監督は続投要請を断って退任。来季から藤本2軍監督が1軍の指揮を執り、小久保ヘッドコーチは2軍監督への配置転換となった。急すぎた今季の「禅譲」路線も踏まえ、11年間にわたって1軍から3軍まで現場を指導した「たたき上げ」の藤本監督が誕生した。

   ◇   ◇

 リーグ連覇と5年連続日本一を目指しながら、4位に終わったソフトバンク。王者の敗因、そして巻き返し策などを3回にわたって検証する。

関連記事

PR

PR