「事業と夢引き継ぐ」中村哲さんの遺影に決意 死去2年を前に追悼の会

 アフガニスタンで人道支援に尽くした中村哲医師(享年73)が凶弾に倒れてから2年となるのを前に、追悼の会が27日、福岡市で開かれた。中村さんが現地代表を務めた同市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」が主催し、全国から約250人が参加した。

 壇上には中村さんと、同行して犠牲になったアフガン人5人の遺影が飾られ、黙とうがささげられた。遺族を代表してあいさつした長女秋子さん(41)は、中村さんが福岡県大牟田市の自宅の庭にたくさんの果樹を植えていたと明かし「麦わら帽子に作業着で庭仕事をする後ろ姿を今でも思い出す」と悼んだ。

 大干ばつに加え、イスラム主義組織タリバンが政権を掌握して以降、経済が混乱するアフガン。秋子さんは「必要な支援が滞ることはあってはならない。父が生きていたら同じことを言うと思う。会の活動継続は大きな希望です」と訴えた。

 同会の村上優会長(72)は「この2年で中村先生の事業と夢を引き継ぐ具体的な体制が整った」と述べ、支援を受けて活動する現地のNGO「PMS」(平和医療団)スタッフは「先生の愛情、思い出、思想はいつもわれわれとともにある」「アフガン復興のために努力する」などと力強いメッセージを寄せた。日本人の元現地ワーカーによる講演もあった。

 中村さんは1984年にパキスタンの病院に赴任した後、隣国アフガンに活動を拡大。2000年に起きた大干ばつを受けて用水路を建設し、福岡市の面積の約半分に当たる土地が潤うようになった。19年12月4日、現地で武装集団に殺害された。(山口新太郎)

大牟田では12月4、5日に追悼行事

 中村哲医師の追悼行事は12月4、5日、福岡県大牟田市栄町の民間文化施設「みきの国」でも開かれる。ペシャワール会会員ら有志の実行委員会が企画。アフガニスタンなどで活動する中村さんの写真や新聞記事など約200点を展示。記録映像「荒野に希望の灯をともす」(88分)も上映する。午後5~8時に会場周辺で竹灯籠約200個をともす。

 入場無料。記録映像の上映は参加費300円、高校生以下無料。問い合わせは樋口茂敏事務局長=090(8415)0998。

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