政務活動費 透明化に改善の余地あり

 公費の使途に目を光らせる。そんな職責を担う議員だからこそ、自らの使途に曇りがあってはならない。とりわけ不正支出が相次ぐ政務活動費の使い道は透明性を一層高めるべきだ。

 政務活動費は地方議会の機能を高めるため、議員や会派の活動に必要な経費に充てることになっている。金額は議会によって異なり、多い議会では1人当たり年間数百万円になる。支給していない市町村議会もある。

 不正支出は法律で制度化(旧政務調査費)された2000年代から全国で噴き出した。先日も全国都道府県議会議長会の会長を務めた元山形県議の不正が明るみに出た。同級生を事務所で雇ったように偽装し、13年間にわたり人件費1200万円余りを受給していたという。

 九州では昨年、事務所と称するマンションの賃料を過大に受け取った長崎県議が辞職した。公費の重みを感じないのだろうか。あきれるほかない。

 不正を防ぐ対策に多くの議会が取り組んでいる。その柱は使い道を透明にすることだ。

 まず、収支報告書に領収書を添付して公開することが欠かせない。議会によっては公開する使途を一定金額以上に制限しているが、全ての支出を公開対象にすべきだ。

 公開する資料はインターネットで誰もが手軽にアクセスできることを前提にしたい。領収書はコピーではなく、原本を公開するのが望ましい。領収書の改ざんを防ぐためである。

 全国市民オンブズマン連絡会議が都道府県、政令市、中核市の127議会を調査した結果、20年度は大分県議会や福岡県久留米市議会など6割近い議会が領収書をネットで公開した。未実施の議会は検討を急ぎたい。

 政務活動費を使った視察も報告書を公開するのが筋だ。使途の明確化はもちろん、議員や会派が政務活動費を予算審査や政策形成にどう生かしているかを住民に伝える意義がある。

 支給方法は前払いではなく、後払い方式に変えたい。

 大半の議会では決まった金額を前払いし、年度末に収支を報告する。使途基準があっても、実際に何に使うかは議員や会派に委ねられる。後払い方式であれば、使い道が適切かどうかを支給前に判断できる。

 九州では福岡県うきは市議会などが導入している。真に必要な経費なら後払いでも支障はないはずだ。弁護士らによる第三者機関を設置し、使い道をチェックする議会もある。

 折しも、国会議員の活動を支える文書通信交通滞在費の見直しが注目を集めている。政務活動費も改善の余地はある。地方議会で大いに議論してほしい。

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