指先で生まれた「寅」800体 自閉症の国実さん手作りの「干支」6年目

 自閉症がある福岡県上毛町の国実拓也さん(24)が、来年の干支(えと)の「寅(とら)」をモチーフとした陶器の置物800体を手作りで完成させた。5年前から毎年手掛ける干支シリーズで、型などは用いず、指先の感覚だけで重さや形をほぼ均一にそろえている。温かみのある表情が特徴の「寅」は今月から販売している。

 国実さんは特別支援学校卒業後の2015年から、小倉北区の障害者就労支援施設「創造館クリエイティブハウス」を利用。一つのことへの集中力が高く、細かい作業が得意なことを生かし、入所当初から同施設の工房で陶器制作に打ち込んできた。

 初めて作ったのは「酉(とり)」(17年)。以来、毎年800~千個の干支の置物を制作、販売してきた。今年は3月ごろからトラの写真を見て試作を重ね、デザインが決まった7月以降は毎日粘土をこねて1日5~25個を作った。つぶらな瞳で柔らかい表情の干支シリーズにはファンも多く、国実さんは6年後に干支の12体がそろうことを見越して、これまでの作品のミニチュア版の制作も始めている。

 新型コロナ禍で昨年からは自宅で作業に打ち込み、焼き窯がある同施設の工房に送っている。日々の制作を見守る母親の久美子さんは「つやが出るまで一つ一つ丁寧に成形し、絶対に手を抜かないのはすごい。来年の卯(う)(の制作)も楽しみです」と話している。

 「寅」は、他の施設利用者が手織りした敷物などとセットで1200円(税込み)。戸畑区のウェルとばたや八幡西区のコムシティなどにある売店「スマイクリー」で販売する。電話注文は、同施設=093(512)5777。

(白波宏野)

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