往来再開わずか3週間…また入国制限「誰が悪いわけでもないが」

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が海外で広がり、各国が水際対策を強める中、政府も30日から外国人の新規入国を禁じる。ビジネスや留学目的の渡航は長い「空白期間」を経て、8日に再開したばかり。改善の兆しが見えたが、3週間で逆戻りとなった。変異におびえる日々はいつまで続くのか-。九州の航空業界や企業、大学関係者は先が見えないことに不安を感じている。 

 「運航を再開し、利用客が少しずつ増え始めた直後だったのに…」。福岡空港の運営会社、福岡国際空港(FIAC、福岡市)の担当者は残念がる。

 政府は8日に水際対策を大幅に緩和。ビジネス客などの往来再開に踏み切り、一部の航空会社は福岡空港での運航再開に乗り出していた。

 5日には韓国のアシアナ航空が仁川便を約9カ月ぶりに飛ばし、12月からは週2往復への増便を計画。広報担当は「感染状況や政府の方針、キャンセル状況を踏まえ、予定通り運航するかを判断したい」。再開していたマニラ便やシンガポール便も対応が不可避だ。

 外国人材の登用に活路を見いだす企業にとっても頭の痛い問題だ。介護施設を全国展開するウチヤマホールディングス(北九州市)は、12月から来年初めにインドネシアから特定技能実習生とインターン生計26人を受け入れる予定だった。

 在留許可を得たのは昨年12月。今月からようやく来日手続きを進めてきたが、中断せざるを得ない。担当者は「介護現場は慢性的な人手不足が続く。時機をみて再調整したい」と話した。

 全学生のおよそ半数を留学生が占める立命館アジア太平洋大(APU、大分県別府市)。昨年4月以降に入学するなどしたうち843人が来日できていない。緩和を受けて速やかに入国できるよう、文部科学省への申請書類をまとめる作業に入っていたという。現在、学生たちはオンラインで授業を受けている状態。タイの学生だと、2時間の時差を考慮して準備するなど不便を強いている。

 強い感染力があるとみられる変異株の出現は、デルタ以来の脅威とされる。地球規模でのワクチン接種の推進や衛生面の向上などを通じて、全体として「免疫力」が強化されなければ、どこかで新たな強い変異株が生まれるたびに対応を迫られる。

 APUの広報担当者は「誰が悪いわけでもないが、入国希望者のことを考えると残念。ショックを受ける学生たちをケアしたい」と話した。

 (古川剛光、横田理美、井中恵仁)

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