立民新代表に泉氏「ゴタゴタやっている暇ない」共産、連合…試されるエース

 衆院選の惨敗から、名実ともに政権交代を狙える野党第1党に生まれ変われるか-。30日、立憲民主党は新たなかじ取り役に泉健太氏を選んだ。初回投票で4氏に支持が分散した党内の融和を図り、来夏の参院選を見据えた野党共闘の在り方に道筋を付け、最大の支援組織・連合との関係も結び直さないといけない。反転攻勢に向け、47歳の「新世代のエース」が背負う課題は山積している。 

 「おかしな政治は許さない。国民目線で国民中心の政治をしていく。困っている方に寄り添い、改めて全員の力で歩んでまいりたい」。午後、決選投票を制し新代表の座をつかみ取った泉氏は、衆参の国会議員140人らを前に党再生を力強く誓った。

 就任記者会見では「自民党ばかり見て対抗し、国民に対する説明、発信が弱かった」と枝野幸男前代表の路線を総括し、一線を画してみせた。選挙期間中は政策提案型の政党というビジョンを掲げ、立民など野党が関係府省庁を呼んで政治課題をただす「野党合同ヒアリング」の見直しや、党執行部役員に女性を半数起用する方針をアピール。清新さと、2回目の代表選挑戦という実績を併せ持つ点に、党内のグループを超えた支持が寄せられた。

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 そんな泉氏がまず直面するのは、衆院選でほころびが出た選挙戦略の再構築だ。特に、候補者一本化の前提条件として、共産党との間で結んだ政権奪取時の「限定的な閣外からの協力」合意が焦点となる。共産は「国民に対する公約であり、立民も順守する責任がある」(小池晃書記局長)との立場を堅持し、参院選へ協力のさらなる深化を求めているためだ。

 これに対し、代表選で「見直しが必要」との認識を明確にしていた泉氏。この日の会見では「総選挙に向けて交わしたものであり、(衆院選が終わった)現時点で何かが存在していることではない」と、見直しのギアを一段上げた。

 ただ、来年改選を迎える参院議員らの間には「連携の軸はきっちり残してくれるはず。そうでなければ勝てない」(ベテラン)として、枝野氏が組み上げた共産を含む野党共闘の継続を望む声が強い。強引に行き先を変えるなど対応を誤れば、党内に一気に遠心力が働く可能性がある。

 連合や他の野党との関係改善もしかりだ。

 共産との対立の歴史がある連合は、一貫して「立民と共産の共闘はあり得ない」(芳野友子会長)と警告し、具体的には立民と国民民主党に合流を促す方向を目指す。国民の玉木雄一郎代表が「共産との関係がべったりしたものであれば、連携は難しい」とくぎを刺す中、会見で泉氏は「連合の思いは受け止めるが、選挙の総括と立民の再生が最優先だ」と述べるにとどめた。

 かつての民主党系勢力は、旧立民、旧国民など離合集散を繰り返してきた。決選投票の演説で「垣根をなくしたい。旧何々党ではない。今の立憲民主党の下で皆が一つになる」と呼び掛けた泉氏。党内の多数派ではない旧国民出身の新リーダーを、もう一度、有権者を振り向かせる政党に脱皮させるという困難なミッションが待ち受ける。

 (郷達也、前田倫之、大坪拓也)

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