国内でオミクロン株…福岡に第6波は来るのか 長崎大が流行予測

 長崎大の疫学検討班は1日、福岡県内での新型コロナウイルスの流行予測を発表した。ワクチン効果の減少を考慮しても「年内に大きく感染者が増えることはない」とする一方、新たな変異株「オミクロン株」への警戒を呼び掛けた。

 疫学検討班は、福岡、長崎両県の感染状況を予測するシミュレーションを定期的に行い、自治体や医療機関に提供している。今回、福岡県内の陽性報告者数などのデータに加え、ワクチンの予防効果が接種から半年で半減するという仮定も計算に組み込んだ。

 疫学検討班班長で同大熱帯医学研究所の有吉紅也教授によると、1人の感染者が平均して何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は現在、1・7と推測。この数値が持続した場合、新規陽性者は来年1月1日までゼロに近い数字が続く。第5波の初期に近い数値、2・2を用いても急激に増える可能性はないとした。有吉教授は「年内に第6波が来ることはない。ワクチンの普及と、人々の行動変容の相乗効果が予想以上に大きかった」とした。

 一方で、オミクロン株については「第6波を引き起こす可能性が十分ある」と指摘。オミクロン株に対するワクチンの効果はまだ不明だが、「予防効果はゼロではない」として、3回目のワクチン接種を呼び掛けた。

 (坪井映里香)

「感染予防策、引き続き徹底を」

 世界保健機関(WHO)はオミクロン株について、最も警戒度が高い「懸念される変異株(VOC)」に分類する。感染力の強さやワクチンの効果にも影響を与える恐れが指摘され、国内でも市中感染が起きれば“第6波”を引き起こす可能性がある。識者は「感染予防策は従来と変わらない。引き続き徹底してほしい」とする。

 オミクロン株はウイルス表面の突起部分に約30の変異があり、これまでの変異より数倍多い。京都大の橋口隆生教授(ウイルス学)は「(最初に報告された)南アフリカはエイズウイルス(HIV)感染者が多い地域。免疫が正常に働いていない人に感染する中で変異したのでは」とみる。他のウイルスも免疫不全の人に感染すると、多くの変異が起きる事例があるという。

 「短期間でこれだけの変異が起こり、驚いている」。久留米大の溝口充志教授(免疫学)はこう話す。重症化しやすいのかという点については「南アフリカで死者数がどのように推移するのか注視していかなければならない」とした。

 (斉藤幸奈)

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