初心者でもおしゃれに大満足 九州唯一女性専用「サウナラボ」の秘密

サウナワールド ととのう人たち(7)―「サウナラボ」前編

 サウナは今や、会員制交流サイト(SNS)のプロフィル欄に記される趣味ナンバーワンだ、といううわさを聞いた。「熱くて息が苦しいだけで、何が楽しいの」。そんな偏見を抱いていた私なのに、西日本新聞meサウナ部員の甘いささやきにまんまと乗ってしまった。「『かわいいし、リラックスできる』って人気の女性専用サウナがあるんだけど、行ってみない?」-。体験入部した私に待ち受けていたのは、やはり苦行…、ではなく、「何これー」という良い意味での驚きの連続だった。

 仕事と育児でクタクタの毎日だけど、本当に癒やしてくれるの?

 疑いを抱きつつ、いざサウナデビュー。向かった先は「サウナラボ福岡」(福岡市博多区)。男性向け施設として全国のサウナーから評価が高い「ウェルビー福岡」(同)の運営会社が、同じビルに昨年8月、オープンさせたという。

 女性専用のサウナ施設というのは、九州でほかに例がないそうだ。入り口には、大人にはちょっと小さめの木の扉が。「か、かわいい!」。一気に心をわしづかみにされた私は、ワクワクしながら扉を開けた。

ビルの1階にある小さい入り口、サウナには見えないかわいさに胸がときめく

 「いらっしゃいませ」。受付で迎えてくれたのは、責任者の山下利絵さん。「ここは、サウナで皆さんの人生を豊かにする『実験室』です」。なるほど、サウナラボの「ラボ」は、そんなコンセプトに由来しているのか。

 私、サウナはちょっと苦手なんですが、大丈夫でしょうか? 恐る恐る尋ねると「こちらはフィンランド式サウナです。入りやすいですよ」。一般的なドライサウナの温度が100度近くまで上がるのに対し、フィンランド式は72~82度程度と比較的低く、初心者にお薦めなのだとか。

 それを聞いてひと安心。早速、着替えだ。まずサウナ内で着用する巻き布を素肌に巻き、その上から全身をふんわりと覆うポンチョを着る。髪や頭皮を熱から守るウール製のサウナハットをかぶれば、早くもリラックスした心地になる。

 フィンランドの森をイメージしたという休憩室を横切ると、シラカバの木立の中に北欧風のインテリアがセンス良く配置されている。あちこちでハットにポンチョ姿のサウナ女子たちがくつろいでいる様子は、まるで森で遊ぶ妖精のようだ。

館内で着用するサウナハットとポンチョ(左)休憩スペースは少し暗めで温かみがあり、ゆっくりくつろげる

「あら、意外とイケるじゃない」

 水分補給のため、フリードリンクコーナーで冷たいレモングラスのハーブティーを2杯いただくと、サウナエリアへ。すぐ目に入ったのは、小ぶりなかまくら状のドームサウナだ。腰をかがめて扉を開けると、中には3人ほどが座れる長椅子とストーブがあった。座ってみると、確かに熱いのだが息苦しさはない。「あら、意外とイケるじゃない」。気を良くして個室サウナに移ることにした。

小ぶりなかまくら状のドームサウナ

 こちらの扉はさらに小さく、はいつくばるようにして中へ入る。薄暗い室内は、1人が座ったらもういっぱい。前方のストーブでは石が焼かれ、ジリジリと熱気を放っている。すぐに顔がじんわりとほてり出し、体中が熱のベールに包まれたようになった。

個室サウナを含め六つのサウナが楽しめる

 それぞれのサウナ室でストーブの石にアロマ水を掛ける「ロウリュ」ができるのがサウナラボの特徴だ。傍らのバケツからひしゃくで水を1杯すくって掛けると、ジュワーッという音とともに湯気が上がり、香りが部屋いっぱいに広がった。室温がぐんと上がったのが分かる。5分もたたないうちに首筋や頭皮、体のあちこちを汗が伝った。元々、汗をかきにくい体質なので驚きだ。しばし、頭を空っぽにして熱をまとう。

 三つある個室のうち、2階の部屋にだけストーブがない。1階の1部屋と吹き抜けでつながっており、下の人がロウリュした蒸気の「おすそ分け」をもらうというユニークな仕組みになっている。

冷風が肌に優しく

 さて、サウナ室には12分前後入るものだと西日本新聞meの「サウナワールド」で予習していたので、室内の砂時計をじっと見つめた。meサウナ部の先輩記者によると、実際には個人差があり、歴戦の猛者であっても12分は長いという人も。ましてや私のような初心者にはハードルが高く、7、8分たったところで息苦しさを感じて退出し、体を冷やすことにした。

個室サウナを初体験する私をイメージしたイラスト。ストーブと向き合い、じっと熱さをまとう(作・松元茜)

 サウナと言えば水風呂が一般的らしいが、ここサウナラボには零下25度の冷風が噴き出すアイスサウナが用意されている。分厚いドアを開けると、そこはブリザード吹き荒れる氷の世界。入ってみると意外にも風が肌に優しく、寒いというよりも涼しいという感覚だった。水風呂の刺激には耐えられそうになくても、これなら気持ちよくクールダウンできる。体が冷えたらまたサウナに入り、熱くなったらアイスサウナ、を数回繰り返した。

 サウナラボはこぢんまりした施設のため、予約は同時に10人までしか受け付けないそうだ。おかげで他人の目もさほど気にならず、自分のペースで好きなサウナを楽しむことができる。

 上々のデビューに満足していると「まだまだリラックスできるメニューがあるんですよ」と山下さん。それは、サウナの中で受ける特別なリラクセーションだという。新たな初体験の様子は、後編でご紹介しましょう。

(西日本新聞meサウナ部・松元茜、写真撮影は三笘真理子)

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