「朝令暮改ぶりに不信感」日本政府に翻弄された海外駐在員

 【北京・坂本信博、ソウル池田郷】日本政府による国際線の新規予約停止要請が2日、一転して見直されたことで、海外に滞在する日本人にも戸惑いが広がった。中国や韓国の駐在員や家族らは、ビジネスや年末年始の一時帰国が可能かどうか確認に追われたり、急きょ予定をキャンセルしたり、二転三転する政府方針に翻弄(ほんろう)された。

 中国と日本を結ぶ便を運航する航空会社の中国国内の支店には、日本政府が国際線の新規予約停止を要請して以降、数十件の問い合わせがあったという。

 関係者は「年末年始を控えて久しぶりの家族再会を楽しみにされるお客さまも多く、心苦しかった。結果的に撤回されたが、急な要請で詳細がよく分からず対応が大変だった」と話した。

 中国では、入国者は専用のホテルで2~4週間の隔離が義務付けられており、宿泊費は自己負担だ。オミクロン株感染者と同じ飛行機の乗客に宿泊施設での待機を求める通知が出たことについて、日系企業幹部は「日本も、全ての入国者の隔離を専用施設で確実に行うべきだ。日本政府の朝令暮改ぶりや水際対策の緩さに不信感が募っている」と語った。

 東京育ちの在日韓国人2世で現在ソウルの会社を経営する男性(55)は2日、「気をもんだが、1年3カ月ぶりに日本に入国できた」と胸をなで下ろした。

 男性は1日に成田行きの航空便を予約していたが、岸田文雄首相が11月29日、外国人の入国を翌30日から禁止すると表明。日本永住資格を持つ韓国籍の自身も入国禁止の対象なのか、ソウルの日本大使館への電話がなかなかつながらず、入国可能と確認できたのは出発前日だった。男性は「措置発表から実施まで24時間もなく、性急すぎたのではないか」と疑問を呈する。

 韓国の日系メーカーに勤める男性(48)は、日本で24日に予定している取引先との商談に合わせて8日に一時帰国し、前後の休暇を家族水入らずで過ごすつもりだった。ところが、オミクロン株の急拡大を受けて状況が急変した。

 男性は11月下旬、日本の本社を通じて厚生労働省に入国後の自主待機期間を3日間に短縮する申請をしていたが、申請は認められなかった。韓国からの入国者は今月3日から、政府指定の宿泊施設で6日間の待機が必要な対象国に指定されるためだという。男性は「商談がなければ帰省を延期したいが、状況を受け入れるしかない」と渋い顔だ。

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