【動画】鎖で学生つなぎ波紋 「助けて」投稿、日本語学校釈明「悪ふざけ」

 福岡市の日本語学校とみられる場所で学生のベトナム人男性が鎖につながれている動画が、会員制交流サイト(SNS)に投稿され、西日本新聞「あなたの特命取材班」(あな特)に「何とかできないか」と心配する声が寄せられた。学校側は取材に「悪ふざけ。(内容が)誤解されている」と釈明したが、国内のベトナム人コミュニティーや日本語学校関係者には憤りや動揺が広がっている。

 関係者によると、10月に複数の動画が投稿された。日本語学校の男性職員が自分のベルトと、投稿者とみられるベトナム人男性のベルトを南京錠が付いた鎖でつなぎ、何かを聞く様子が映っている。別の動画では「私トイレ行きたい」など、たどたどしい日本語も聞こえる。

 「健康上の理由で帰国したいと言ったが、理由なく学校に閉じ込められた。ベトナム大使館に助けてもらいたい」などと、ベトナム語で訴える文章も添えられていた。現在、投稿は削除されている。

 この学校に通う別のベトナム人学生(21)は動画を見て「確かに学校の職員で、校内での出来事。トラブルがあったようだ」と証言した。

 学校の広報担当者は「(悪ふざけの動画や画像をインターネットに投稿し、社会問題になる)『バカッター』のような動画だった。(職員の行為は)ふさわしくないので学校業務から外した」と説明。投稿者とみられる男性は在籍していたが、現在は所在不明となり、除籍扱いにしたという。学校側は「(これ以上の)取材は遠慮したい」と詳しい説明を拒んでいる。

 取材班は当事者の男性に関係者を通じて連絡したが、返信がなかった。知人のベトナム人女性によると、男性は20代で、昨年12月ごろ同校に入学。動画を見て心配になり、先月末に電話で話した際、男性は「転校したいが、転校させてもらえなかった」と話していたという。

 在福岡ベトナム総領事館(福岡市)も動画の内容を把握。男性と連絡が付かず、知人経由で総領事館に連絡するようメッセージを送ったところ、知人を通じて「誰とも話したくない」と返事があったという。総領事館は「動画がどこまで真実か分からないので、見守っている状況だ。本人から正式に通報があれば対応する」としている。

 福岡県内のある日本語学校の校長は、新型コロナウイルスによる入国制限などで日本語学校の経営環境は厳しさを増し、学生の管理に神経質になっている学校があると指摘。その上で「動画はひどい人権侵害だ。県内のベトナム人コミュニティーで広まり、動揺している学生もいる」と憤った。 (内田完爾)

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