「熊本を元気に」震災受けた県民への思いを財産に J2昇格、巻さんが古巣にメッセージ

 故郷のクラブでもある熊本で2018年までプレーした06年ワールドカップ(W杯)日本代表の巻誠一郎さん(41)がJ2昇格を決めた古巣にメッセージを送った。熊本では14年から5年間プレーし、引退した18年に無念のJ3降格。泥くさく献身的なプレーでサポーターを魅了した巻さんが伝える「変わってはいけないもの」とは?

 長いシーズンを戦い抜き、優勝、昇格を果たした熊本の皆さん、おめでとうございます。終盤戦に苦しんで昇格を決めたことは、今後の財産になると思います。

 大木監督は前線からプレッシャーをかけてボールを奪い、丁寧にパスをつないでボールを保持するサッカーにこだわってきた。今季はそのこだわりを残しながら、相手の背後を狙うパスやロングボールも増え、時間帯によって戦術を使い分けられるようになった。4バックから3バックに変更して中盤を厚くしたことで推進力が出て、守備でも中盤で耐え抜くことができるようになった。

 大卒2年目でワントップで大きな役割を果たした高橋や大卒ルーキーの杉山や坂本、やはり大卒2年目でキャプテンを務める河原ら若く才能のある選手が増えてきた。私はJ3に降格した2018年に引退したが、一緒にプレーした選手はもう少なくなった。でも、クラブとして変わってはいけないものがある。16年の熊本地震。「熊本を元気に」と選手は県民のために一つになって戦った。あの時の思いはチームの財産にしていかなくてはいけない。

 熊本に住み、OBでもある私でさえロアッソの情報を耳にする機会は少ないのが現状だ。プレーはもちろん、地域貢献などでも人の心を動かすような活動をして、本当の意味で県民に愛されるクラブになってほしい。故郷であり、古巣でもあるクラブが一つでも上のカテゴリー、上の順位で戦う姿を望んでいる。 (元サッカー日本代表)

 巻 誠一郎(まき・せいいちろう)1980年8月7日生まれ。熊本県宇城市出身。熊本・大津高から駒大を経て2003年、当時J1の市原(現J2千葉)に入団。ロシアや中国でプレーした後、14年にJ2東京Vから熊本に加入した。国際Aマッチでは出場38試合8得点。18年に引退後は、熊本を拠点に会社経営やサッカー解説、TNCテレビ西日本の情報番組「ももち浜ストア」などのテレビ出演と幅広く活躍している。

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