「強い」選手どうつくる 福岡国際マラソン終了 マラソンブームを強化に

 ペースメーカーが離れた直後にレースが動いた。30キロ地点。高久が飛び出した。「いくのであればしっかり逃げ切らないと。勝ち方を知らないなと」。日本陸連の瀬古副会長は積極的なレース運びを評価しつつ、苦言も忘れなかった。確かに、1979年に宗兄弟との熾烈(しれつ)なトラック勝負を制し、83年には100メートル走のようなスパートでイカンガー(タンザニア)を抜き去るなど大会を4度制した瀬古副会長の「勝ち方」は鮮烈だった。

 その「勝ち方」を学ぶのはやはり経験しかないだろう。だが、その場は年々減ってきている。九州では2011年に朝日駅伝、13年に九州一周駅伝が姿を消した。1992年バルセロナ五輪銀メダリストでトヨタ自動車九州の森下広一監督が「駅伝で勝負の駆け引きを学べばマラソンに生かすことができる」と話していた。

 びわ湖毎日が大阪マラソンと統合し、福岡国際も終了。42・195キロを体感する場も少なくなってきている。森下監督は「『速い』ではなく『強い』選手が少なくなってきている」と危惧する。

 大会前日、大濠公園で最終調整する選手たちを朝から夕方まで眺めていた。驚いたのはランニングを楽しむ市民の多さだ。この「マラソンブーム」をいかに強化につなげるのか。新しい時代に入ったマラソン界。強い選手をつくるために私たちメディアも責任を持って報じる必要があるだろう。 (向吉三郎)

関連記事

PR

PR