3回目接種「前倒し」岸田首相が表明 臨時国会所信表明演説

 第207臨時国会が6日召集され、岸田文雄首相が衆参両院の本会議で所信表明演説した。世界で急拡大している新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」対策として、2回目のワクチン接種から原則8カ月後に設定していた3回目の接種時期を「前倒しする」と表明。医療提供体制と無料の検査体制を拡充するとともに、コロナの経口治療薬は薬事承認され次第、速やかに国民が利用できることを目指すとアピールした。

 10月4日に就任した首相は衆院選を経て、野党と初めての本格論戦に臨む。国会会期は、12月21日までの16日間。所信表明演説に対する各党の代表質問は、衆参両院で8~10日に行う。与党は、18歳以下の子どもに10万円相当を給付する事業をはじめ、新型コロナ対応の経済対策を盛り込んだ2021年度補正予算案の成立を最優先する。

 オミクロン株は、日本でも海外から入国した3人の感染が確認され、国内での流行抑止が喫緊の課題となっている。

 演説で首相は、新型コロナには「細心、かつ慎重に対応するとの立場を堅持する」と重ねて強調した。経済回復に向け、観光支援事業「Go To トラベル」再開などの準備を急ぐとする一方で、感染再拡大が兆す局面に入れば「(国民の)行動制限の強化を含め機動的に対応する」と述べ、ブレーキを踏むことにちゅうちょしない姿勢を示した。

 自身が掲げる、成長と分配の好循環により格差是正を目指す「新しい資本主義」に関し、米国、欧州の政治の潮流と歩調がそろっていると正当性を主張。日本を周回する海底ケーブルを3年前後で敷設するなど、科学技術とデジタル分野に大胆に投資しつつ、賃上げ税制により民間企業の賃上げも促し、「政策を総動員して分厚い中間層を取り戻す」と力を込めた。

 首相は、外交・安全保障では中国を念頭に、米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州などと連携して「国際秩序の維持・強化や、国際的な人権問題への対処にしっかり取り組む」とした。防衛政策の焦点であり、弾道ミサイルを相手国領域内で阻止する敵基地攻撃能力に触れ「あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討する」と話した。

 憲法改正を巡り、「今の時代にふさわしいもので在り続けているかどうか、国会議員が広く国民の議論を喚起していこう」と呼び掛けた。

 (久知邦)

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