ワクチン3回目「前倒し」暗雲 供給追い付かず、閣僚「一律は困難」

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種時期を巡り、政府が守勢に回っている。岸田文雄首相は6日、2回目接種から原則8カ月後としていた間隔を「前倒しする」と表明したものの、閣僚らは早くも「全国民を対象に接種間隔の前倒しを一律に行うことは困難」などとトーンダウン。供給量が追い付かず、「公約違反」ともなれば政権批判の火種となりかねないだけに、予防線を張り始めた。

 首相は6日の所信表明演説で、3回目の接種時期に関し「追加承認されるモデルナ(製)を活用して、8カ月を待たずに、できる限り前倒しする」と説明。与党などの求めに応じる形で方針転換を図り、リーダーシップを演出してみせた。

 ただ、7500万回分の利用が可能という契約済みのモデルナ製ワクチンは、3回目接種に関する国内の薬事承認がこれから。来年1~6月に順次輸入されるため、自治体への配送見通しも立っていないという。

 全国知事会長の平井伸治鳥取県知事によると、7日、オンラインで会談した山際大志郎経済再生担当相は「(首相の演説は)意思の表明までだ。具体的には、ワクチンの供給体制や自治体の接種体制を慎重に見ながら進めていかなければいけない」と言葉を選んだ様子だったという。後藤茂之厚生労働相もこの日の記者会見で「優先度に応じて、一定程度の国民の前倒しは可能だ」としつつ、「ワクチン供給力(に限界がある)ということもご理解いただきたい」と低姿勢で呼び掛けた。 (河合仁志)

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