米大統領「侵攻なら経済制裁」 ウクライナ巡りロシアに警告 電話首脳会談

 【ワシントン金子渡】緊迫するウクライナ情勢を巡り、バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は7日、テレビ電話で会談した。バイデン氏はロシアがウクライナに軍事侵攻すれば「米国と同盟国は強力な経済措置で対応する」と警告。これに対し、プーチン氏は「国境で軍事力を増強しているのは北大西洋条約機構(NATO)の方だ」と反発。これ以上、東方にNATOを拡大しないよう法的保証を求めた。

 現在、ロシアはウクライナ国境に10万人規模の軍隊を集結させ、緊張状態が続いている。米メディアによると、ロシア軍は医療や燃料の供給ラインを構築し、長期間の紛争に対応できる態勢を整えているという。米情報機関は来年1月にロシアが軍事侵攻する可能性があり、国境沿いに最大で17万5千人の兵力を集めようとしていると分析する。

 ホワイトハウスの声明によると、会談は約2時間に及んだ。バイデン氏はウクライナの主権と領土保全への支持を改めて表明するとともに、外交による解決を強調。ロシアが軍事侵攻すれば、経済制裁を発動するだけでなく、東欧などの同盟国に部隊や戦力を追加配備する方針を伝えた。両首脳は対話の継続を確認したが、話し合いは平行線に終わったもようだ。

 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、電話会談後の記者会見で「2014年のクリミア併合時に実施しなかった措置を行う用意がある」と指摘。プーチン氏側近への新たな制裁や、世界中の銀行が使用する国際的な決済システムからロシアを排除することが検討されている。ロシア側が求めるNATOの拡大制限については「各国が自由に選択できる考えを堅持している」と述べた。

 一方、ロシア大統領府によると、プーチン氏は「全ての責任をロシアに負わせるべきではない」と主張。NATOの東方への不拡大と、ロシアの周辺国に攻撃兵器を配備しないよう法的保証を求めた。

 会談後、バイデン氏は英仏独伊の首脳と電話会談し、連携した対応を取ることを確認。米政府は、インド太平洋の主要な同盟国にも会談内容を説明した。

 会談では、米ロの「戦略的安定対話」についても協議したほか、ロシアのハッカー集団によるサイバー攻撃や、イランなどの地域問題に関する共同作業でも意見交換した。

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