やる気を焼成、窯元インターン 小石原焼、高取焼の担い手育成へ

 福岡県東峰村で、ともに300年以上伝わる小石原焼と高取焼の新たな担い手を育てようと、陶工に興味がある人と窯元をつなぐインターンシップ(就業体験)を県と東京の映像制作会社が始めた。5日に2回目があり、県内外から20~40代の男女5人が参加。将来的な後継者不足が見込まれる窯元は、人材確保に期待を寄せる。

 「帰宅後はどこで練習するのか」「弟子の間はどんな生活をしていたか」。同村の窯元の作業場。参加者が矢継ぎ早に質問をぶつけた。「弟子の給料は多くない。やりくりを考えないと」。陶工の梶原久さん(38)がろくろを回しながら、実情を率直に答えていく。

 県東部の山あいにあり、焼き物に適した鉄分を含む土の豊富な同村。小石原焼、高取焼とも陶工が後継者以外に弟子を取り、その弟子が独立することで発展してきた。現在、村内に約50カ所の窯元が存在する。

 ただ、「小石原焼陶器協同組合」によると、高取焼も合わせて1980年代に数十人いた弟子は現在、数人。後継者がいない窯元も10カ所以上に上る。収入の不安定さなどが人材の集まらない要因だ。

 このため県は、各地の伝統工芸を動画で紹介する「ニッポン手仕事図鑑」(東京)と連携してインターンシップを企画。窯の現場に直接触れてもらう取り組みだ。就業後、思い描いた生活との違いから離職するのを防ぐ狙いもある。

 10月に初回が催され、会員制交流サイト(SNS)などを通じて応募した会社員や学生など15人が作陶や粘土作りを体験。このうち、弟子になる決意の固い東京や茨城などの5人が2回目に参加した。

 九州産業大3年の林浩賢(こうけん)さん(31)もその一人だ。焼き物への憧れもあって香港から留学した。「陶工の厳しさが分かったが、働きたい気持ちが上回っている」と笑顔を見せる。

 複数の弟子採用を計画している高取焼の窯元「鬼丸雪山窯」の鬼丸碧山さん(49)は「陶工は人生を懸けるだけの魅力がある。参加者の弟子入りが楽しみだ」と話した。 (西田昌矢)

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