「黒ずんだ流木」に働いた勘 造園業男性が見つけたのは阿蘇火砕流の遺物

 国の天然記念物への指定を答申された福岡県東峰村の「東峰村の阿蘇4火砕流堆積物及び埋没樹木」。2017年の九州豪雨で氾濫した川の護岸が削られたことで偶然、見つかったが、発見者は土地の持ち主で、同村宝珠山で造園業を営む佐々木茂季さん(65)。長年、木と向き合っていたからこそ抱いた違和感が決め手となった。村の担当者は「普通の人が見たらただの流木。よく気づいてくれた」と話している。

 同年7月5日、路面やガードレールに土砂や流木が積み重なり、村の景色を一変させた。翌日、佐々木さんが自分の田んぼを見に行くと隣を流れる松ケ平川の護岸の石積みが破損。むき出しになった土に木が突き刺さっているのを見つけた。「黒ずんだ箇所があり、他の流木とは何かが違う」。木とともに生き、培われた勘が働いた。

 歴史に詳しい村職員に相談すると「村とも関わりがある9万年前の阿蘇4火砕流の遺物かもしれない」。村からの連絡を受け、学識者らが木と護岸を調査。護岸に火山由来の物質が含まれていることなどから阿蘇4火砕流に伴うちりや小石でできた地層であることが判明した。木は火砕流で焼けた幹と特定された。文化庁の担当者は「重大さにすぐに気づいたセンスが素晴らしい」と話す。

 天然記念物の指定答申を受け、村では木の一部を地域の観光資源として活用する方法を模索している。佐々木さんは「つらいことばかりの災害で、明るい話題を見つけることができた。大切に守ってほしい」と語った。

 (西田昌矢)

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