ふと聞こえるあの歌も、この歌も 福岡と共鳴する夫婦デュオ・iima

シン・フクオカ人 #64

 体を震わせ、目に涙をためる時もあれば、あふれる笑みで観客と一緒に踊りだす時も。感情たっぷりに歌う永山マキと、確かな技術と遊び心を持ったギターの響きが特徴のイシイタカユキ。夫婦デュオのiima(イーマ)は福岡市を拠点に音楽活動をしている。

 JR九州、マリンワールド海の中道、佐賀県、大分県別府市…。九州、福岡の企業CMや公式ソングなどを多数手掛ける。「CMは企業の宣伝ではあるけれど、そこにいる人たちがどういう背景や思いで働いているかを伝えるものでもある」。例えば、西部ガスグループの曲では「灯がともるのはなぜ」。卸売業のヤマエ久野の曲では「当たり前を当たり前にするのがしごと」と歌った。「日常の裏側で頑張っている人を想像してほしいから」。2人が作る曲には、同じ福岡で生きる人々へのまなざしが表れる。

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 東京で活動していたが2011年、東日本大震災をきっかけに福岡に移住した。震災後、友人の紹介で1カ月間、能古島(福岡市西区)に滞在。島から見える自然や福岡市の街並みに引きつけられた。

 福岡は東京とは時間の流れ方が違う気がする。「東京の人たちはみんな忙しそうにしている。近くにいるのになかなか会えないこともあった。福岡では都心でも、郊外でも会おうと思ったら会える」。登山など自然に触れる機会が増えた。

 環境は音楽にも影響を与えた。移住後にアルバムを2枚リリースした。永山が妊娠、出産前後、母として感じた思いを歌った「おっぱいぺったんこ」。絵本の最後のページで、子どもがいつも泣いた思い出から生まれた「最終回のうた」。2人が愛する大分・くじゅう連山の自然を描いた「おーいおーい」。暮らしの気づきや体験を、真っすぐな言葉で歌にする。

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 iimaのライブ会場はお寺やカフェ、花店など多彩だ。2人が足を運んだり、紹介してもらったりした場所で「この人と一緒に何かやりたい」という気持ちを大切にしている。「音楽だけでなく料理とか雰囲気も楽しんでワクワクしてもらいたい。ライブが、お客さんが新たな人や場所に出会う場になれば」。縁を大事にしながら、福岡と共鳴する。 =敬称略

 (永松幸治)

 西日本新聞meの音楽企画「me music」。年末特別編として、12月22日(水)19:00より、マリンワールド大水槽前からスペシャルライブをお届けします。YouTubeで無料配信するほか、福岡市・天神のソラリアビジョンや街のお店など、さまざまな場所で視聴することができます。いろいろあった2021年に、みんなでおつかれさまを――。来年がおだやかな1年になるよう願いを込めて。唄のプレゼントをぜひお楽しみください。こちらでお届けします。

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