オミクロン市中感染「第6波、覚悟を」尾身氏、3回目ワクチン呼び掛け

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は23日、記者会見を開いて談話を公表し、年末年始を迎える国民にメッセージを発した。欧米を中心に世界で急拡大し、日本でも感染経路を特定できない「市中感染」が確認され始めた新たな変異株「オミクロン株」に強い懸念を表明。「市中感染が始まると急速に感染拡大する可能性」が高いとし、流行「第6波」の到来を「ここまで来ると止めるのは難しい。覚悟しておいた方がいい」と強調した。

 大阪府で3人の市中感染が確認された22日に続き、23日も京都府と大阪で海外渡航歴がなく感染経路が分からない2人の感染が判明した。尾身氏は「複数のスポットで既に感染が始まっている」と指摘し、「短期間で多数の患者発生が予想され、重症者も生じ得る。医療提供体制も逼迫(ひっぱく)する可能性がある」と警告した。

 分科会はオミクロン株の特徴として(1)感染者が倍増する期間が2~3日と極めて短い(2)ワクチンによる発症予防効果が約20%で、「デルタ株」の約70%に比べて低い(3)ワクチン接種した高齢者も重症化する可能性がある-の3点を挙げた。

 (1)は、医療機関や療養施設にごく短期間で負荷がかかることを意味し、重症者も「それほど間隔なく出てくる」と尾身氏。名古屋工業大の平田晃正教授(医用工学)のチームが解析した人工知能(AI)予測では、来年1月末に東京都で新規感染者が1日3千人に達すると試算されている。

 一方で、分科会は「(3回目の)追加接種によって、ワクチンの効果を改善させることが可能との報告が出てきている」とした。尾身氏も会見で、ワクチンによってできた免疫をすり抜けるオミクロン株の性質を「事実らしい」としながらも、「ワクチンが無効になった、やっても意味がない、ということは決してない」と述べ、3回目の前倒し接種の必要性を強調した。

 その上で忘年会などが続き、人同士の接触機会が増える年末年始について「1年で最も感染が拡大しやすい時期だ。帰省や旅行は慎重に検討してほしい」と呼び掛けた。帰省などで移動する人には事前のPCR検査実施も含め、「3密」回避など基本的な感染防止策の徹底を要請した。

 (河合仁志)

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