生乳5000トン廃棄危機…コロナ禍と意外な背景 「牛乳飲もう」訴え懸命

 牛乳や乳製品の原料となる生乳が余り、この年末年始に大量に廃棄せざるを得ない事態が懸念されている。背景にあるのは新型コロナウイルスと気候変動。農林水産省や業界団体は消費拡大を懸命にアピールする。

 コロナ禍で飲食店での乳製品の消費が落ち込む一方、気候変動に由来する今夏の雨は暑さが苦手な乳牛が過ごしやすい環境となり、生乳の生産量は増加した。九州生乳販売農業協同組合連合会(福岡市)によると、7、8月の九州の生産量は前年同期比104%。担当者は「いろんな要因が重なり、消費と生産のバランスが崩れた」。年末年始は学校の給食がなく消費量が落ちるため、大量廃棄が現実味を帯びたという。

 業界団体Jミルクが示した廃棄が懸念される生乳の量は約5千トン。乳牛は毎日搾乳する必要があり、生産抑制は困難。賞味期限が比較的短い牛乳ではなく、バターなど乳製品に回せば済むようにも思われるが、加工施設の生産能力が限られる。コロナ禍の外食需要の低迷で在庫も増えている。

 では、牛乳を飲めばいいのか? 確かに、2500万人が200ミリリットルずつ飲むと、5千トンが消費され、問題は一気に解決する計算だ。農水省はホームページで牛乳を使った和食のレシピを公開している。

 モノを大切にする姿勢には共感する。とはいえ、大きな社会問題となっている食品ロスは、生乳に限らないことも覚えておきたい。

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 福岡市・天神の「農のSHOP&CAFE musubime」は27日に限り、通常メニューにはない福岡県糸島市産のホットミルクを1杯50円で午前9時から、150杯限定で販売する。各地でさまざまな取り組みがある。 (小林稔子)

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