「下着は白」削除「多様な性」尊重…見直される校則 meで校則データベース公開

 校則の不合理な規定について、九州の7県、県庁所在5市、3政令市の全てが通知やガイドラインにより見直しを進めていることが西日本新聞の取材で分かった。熊本市は学校管理運営規則で、市立小中高の校則制定・変更に児童生徒の参画を義務化。佐賀、長崎両県は「下着は白」との規定について、各校に見直しを求め、変更された。ただ、校則を定める権限は校長にあるため、識者は「教育委員会はまず現場の意識改革を促すべきだ」と訴える。

 唯一ガイドラインがある熊本市は5月、見直しに関するQ&A集も作成。学校現場に対し(1)児童生徒が自ら考え、決めていく仕組みの構築(2)必要かつ合理的な範囲内で制定する(3)校則は公表-との基準を示した。

 具体的には、地毛の色など「生まれ持った性質に対して許可が必要な規定」や、男女別の制服など「性の多様性を尊重できていない規定」を改定するよう指示。保護者や地域住民による見守りにもつながるとして、校則はホームページ(HP)上での公開を求めた。

 佐賀県は昨年度、全県立高51校の校則を調査。14校にあった「下着は白色を着用」という規定は全て削除。飲酒や喫煙に関する規定も、「そもそも法律で禁じている」として19校中16校で廃止した。長崎県は全ての公立中と県立高の計237校に調査したところ、6割が下着の色を「白」と指定していたため、県教委が通知で改善を促した。

 福岡県は見直しを後押しするため、3年に1回だった県立高の校則の実態調査を本年度から毎年実施。大分県は教職員と生徒で話し合う場を設けるよう通知し、全県立高で7月までに行われた。北九州市は時代の流れに合うよう、中学校校長会が主体的に見直し作業を進めている。

 校則を巡っては、文部科学省が6月、社会や時代の変化に合わせて見直すよう都道府県教委に通知。政策提言を目的に学生や社会人でつくる「日本若者協議会」は10月、「生徒を縛るためでなく自由や人権を保障するためにある」との前提で見直すガイドラインを作成、HP上で公開した。

 作成委員の一人、名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は、見直し作業はしても、結果的に厳格化したり、生徒の意見が教員につぶされたりするケースを懸念。福岡県弁護士会によると、福岡市内でも、生徒が校則について話し合っていると、教員が議論そのものを封じる事案があった。内田氏は「まずは校長や教員が、憲法や子どもの権利条約を尊重する校則とは何かを話し合う必要がある。教育委員会はその働きかけをするべきだ」と話す。(金沢皓介、小林稔子、四宮淳平)

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 西日本新聞は、福岡市立の全69中学校の服装や頭髪に関する校則を一覧できるデータベースを作成、ニュースサイト西日本新聞meで28日に公開した。市教委が開示した昨年度の資料を基にまとめた。

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