あの日の春秋:風呂敷は誇らしいが、大風呂敷は…(2009年1月3日)

大人もお年玉をもらうことがあっていい。小欄からの新年の贈り物を風呂敷に包んでお届けしたい気分だ。包みの中身は先月23日付の英紙デーリー・テレグラフ▼「日本人を見習おう」の見出しが躍っている。英政府系の環境保護団体「廃棄物と資源・行動計画」(WRAP)のキャンペーンから取った。和服を着た日本人女性の写真付き。見習おう、と呼びかけたのは女性が手にした風呂敷だった▼WRAPによると、英国では毎年、クリスマスの贈り物用に使われた1万トン以上の包装紙が、リサイクルできずに廃棄物埋め立て場に送られる。捨てられる包装紙を広げてつなぐと月まで届く▼「贈り物はフロシキで包んでクリーンなクリスマスに」とWRAPはインターネット上で本やワインボトルの包み方も動画で紹介した。「テーブルクロスやスカーフもフロシキの代わりになります」「包みをほどいても捨てるものがありません」▼環境保護活動でノーベル平和賞を受賞したマータイさんを思い出す。昨年も国際会議で風呂敷を手に環境保護の話をする姿が見られた。日本語の「もったいない」と一緒に日本を世界にPRしてくれている▼自慢していいものを他国の人に言われて気づくことが日本人には珍しくない。すべてに西洋流が幅を利かした時代は過去のものになっていく。日本人の知恵を生かせる場面だってある。風呂敷に限らないことを探る年になる。(2009年1月3日)

 特別論説委員から 昨年、地球温暖化対策の国際会議があった英国で、日本がもらったのはお年玉ならぬ「お目玉」。温暖化対策に後ろ向きな国として環境団体から「化石賞」に選ばれた。二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電の廃止に道筋を示さないから、と。かけがえのない地球の環境は損なわれたら「もったいない」どころではない。日本の知恵や技術をもっと生かせないか。政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げている。「大風呂敷」にしてはならない。(2022年1月2日)

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