「九州はひとつ」名将の思い胸に戦い抜く 全国準V大津・平岡総監督

 第100回全国高校サッカー選手権決勝が10日、東京・国立競技場で行われ、大津(熊本)は青森山田に0-4で敗れたものの熊本県勢最高の準優勝に輝いた。1993年からチームを率いる平岡和徳総監督(56)は自ら「九州はひとつ!」としたためた横断幕をスタンドに掲出。7日に死去した長崎・国見の小嶺忠敏元監督ら九州の名将に支えられた感謝の気持ちと理念を継ぐ責任を胸に抱き、選手と共に戦い抜いた。

 3点を追う後半。ベンチ前から平岡総監督の声が響いた。「戦いはこれからだぞ」。諦めない心を重視する大津の誇りを持ち、最後まで走り抜いた選手たち。平岡総監督は「前を向いていた」とねぎらった。

 「彼らの人生は卒業後も続く。最後まで諦めず結果を受け止め、次に進むエネルギーにしてほしかった」。教育者の立場を忘れずに生徒の将来を考える心構えは、選手権を6度制した小嶺さんや2度優勝した鹿児島実の元監督の故松沢隆司さんと相通じる。平岡総監督は帝京(東京)の主将として83年度の第62回大会を制した後、筑波大を経て故郷の熊本で指導者に。2人の名将は温かく迎え、時には寝食を共にしてまで相談に乗ってくれた。

 「お二人はいつも『九州は一つ。日本のサッカーは九州からだ』と未来を語っていた」。志に共感した平岡総監督は1日の練習時間を100分にして選手の集中を促したり、複数のポジションを経験させて長所を伸ばしたりなど独自の考えを地元の指導者に公開。県内外のレベルアップにつなげた。

 教え子は日本代表や50人超のJリーガーだけでなく、ライバル校の監督、中学年代のコーチなど幅広い。「九州を一つにまとめ、常に九州から選手権の決勝に出るようにしたい」。かつて国見や鹿児島実、東福岡が築いた九州の黄金時代復活を誓い、前を見つめた。 (末継智章)

「頼もしかった」たたえるスタンド

 最後まで諦めずに戦い抜いた大津イレブンを、スタンドの保護者会やOB、サッカー部員ら約500人の応援団が後押しした。

 コロナ対策で声を出しての応援は控え、手拍子や拍手を送り続けた。保護者会の坂田寛之会長(48)は「点差は開いてもひるまず、立ち向かっていく姿が頼もしかった」とたたえた。初の決勝進出を果たした一方で宿泊費が膨らみ、保護者会で支援金を募った。目標を上回る1千万円超が寄せられ「感謝の気持ちでいっぱい」と頭を下げた。

 平岡総監督の長女で大津在校時はマネジャーとしてサッカー部を支えた、熊本の民放アナウンサーの夏希さん(27)も駆け付けた。「国立競技場の決勝という大舞台に立つ父と弟(コーチの拓己さん)を母と応援できて感動した。父の一番の応援団として、卒業生としてこれからも支えていきたい」。大津の、平岡一家の挑戦は続く。

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