標高千メートル超で挑む難工事…英彦山神宮上宮148年ぶり改修大作戦 

 福岡県添田町の英彦山神宮は2022年度、近年の激しい風雨で倒壊の恐れが出てきた山頂(1199メートル)近くの上宮の大規模改修に乗り出す。1世紀半ぶりで、総事業費7億円。大量の資材を運ぶため中腹と上宮を運搬用モノレールでつなぐ難工事。神宮関係者は「完成当時の荘厳な上宮がよみがえるよう全力を尽くしたい」と意気込む。

 古くから霊山として地元住民や修験者に大切にされてきた英彦山。上宮は「宝殿」と「拝殿」からなり、戦乱などによる焼失と造営を繰り返してきた。現在の建屋は1836年の火災を受け、佐賀藩10代藩主・鍋島直正が手掛けた。今回の改修は74年以来の規模で、148年ぶり。2025年の完成を目指す。

 破損の遠因は、全国で62人が犠牲になった1991年9月の台風19号。各地で木々をなぎ倒した猛烈な風によって、上宮周辺の防風林も失われた。加えて激しさを増す近年の風雨で屋根や壁の破損部分が徐々に拡大、改修を決めた。

 計画では、標高700メートル付近の英彦山運動公園に資材置き場を設置。近くの英彦山野営場と上宮の約2キロをモノレールで結んで資材を運び、大型資材にはヘリで対応する。ただ関係者によると、前回の大規模改修の記録が乏しく「工事は手探りの状態」。現在使われている部材で傷みが小さいものを生かすなど、国や県と協議しながら慎重に改修計画を詰める方針という。

 英彦山は2017年、山岳信仰と仏教が融合した修験道の拠点として国史跡に指定された。事前調査を担当した西谷正・九州大名誉教授(考古学)は「三大修験道場であり、山岳信仰の霊場として全国的にも著名な英彦山にとって上宮は貴重な建物。関係者の努力に期待したい」と話した。

 (吉川文敬)

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