受験生「本当に公平性保てるのか」 大学共通テストの〝救済〟波紋

 大学入学共通テストが今週末に迫る中、文部科学省は新型コロナウイルスの影響でテストを受けられなかった受験生の救済策を通知した。西日本新聞「あなたの特命取材班」が12日、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる「あな特通信員」にアンケートを実施すると、臨機応変な対応を評価する保護者らがいる一方で、「本当に公平性が担保できるのか」と、疑問視する受験生は少なくなかった。九州の大学関係者は土壇場での決定に戸惑い、大慌てで検討を始めている。

 「共通テストを受けることが大前提だった。これまでとは違う基準で合否判定をしなくてはならない」

 九州大(福岡市)の入試課担当者は昨夜、ニュースを見て目を疑った。共通テストの準備や感染対策に追われているさなかだ。今後の対応は来週にも検討を始める。

 国公立大の多くは、共通テストと2次試験の点数を基に合否判定をしており、「共通テストを受けた受験生と受けていない受験生がいて公平性を担保できるのかが一番の懸念」と話す。

 北九州市立大(北九州市)、立命館アジア太平洋大(APU、大分県別府市)も対応は決まっていない。

 「このタイミングで…」。共通テストのみで合否判定をする受験方式がある福岡大(福岡市)は、共通テストを受けられなかった受験生は3月に実施する個別試験を「振り替え」とする検討を始めた。共通テストのために勉強してきた受験生は個別試験の準備が間に合わない可能性もある。受験生が辞退した場合は受験料の返金に応じるという。

     ◆ ◆

 あな特アンケートには、さまざまな声が寄せられた。

 福岡県福津市の高3女子(18)は今回の対応に納得がいかない。東京にある国立大を目指し、共通テストのために2次試験では出題されない社会や理科などの科目にも取り組んできた。「自分のように合格ラインぎりぎりの人にも不利益にならないことをきちんと示してほしい」と話す。

 宮崎市で塾を経営する男性(57)は昨年と異なる対応を疑問視した。「合否は同じ基準で判断されるべきだ。共通テストを受けた子と受けていない子が同じ土俵にいるのはおかしい」

 救済策はコロナ陽性者や濃厚接触者とされ、テストが受けられなかった受験生は国公立大の2次試験や私立大の個別試験のみで合否判定を可能にする内容。その際、医師の診断書を提出するなどして受ける。

 保護者らの間でも「必要な配慮」「臨機応変な対応はありがたい」といった肯定的な意見もある。

 宮崎県門川町の男性会社員(46)は「コロナで受験生の人生まで狂わされてほしくない」。次男が受験生だという福岡県糸島市の男性(44)は「2次試験を受けるのであれば、特に気にならない」と話している。

 (平峰麻由、小林稔子)

関連記事

PR

PR